「世界トップ10」に台湾5社、韓国はゼロ…パッケージ革命、韓国半導体の危機[半導体パッケージ革命](2)

AI要約

韓国のパッケージング産業が顧客への依存度が高く水平協力に弱いと指摘されている。

先端パッケージングの分野では米国がリードし、低価格パッケージングは東南アジアが強い。

韓国のパッケージング企業が地域経済と雇用の危機に瀕しており、先端技術への転換が求められている。

パッケージング業界に20年間従事し『半導体産業の隠れた巨人たち』を書いた作家のチェ・ボンソク氏は「台湾は世界1位のパッケージング企業ASEだけでなく小さな会社でも顧客が数十社に達するが、韓国のパッケージング企業は顧客1社に売り上げの70~90%まで依存する。韓国は複数の企業が海外顧客を共同誘致する形でスケールメリットを出さなくては能動的研究開発ができない」と話した。

メモリー中心、垂直系列化に成長した韓国の半導体業界が水平協力に弱いという指摘も出る。ある素材企業役員は「アップル用チップのパッケージング会議には台湾のパッケージング企業であるASEと基板企業のユニマイクロン、素材企業とアップル本社の担当者まで集まるが、韓国では下請けに指示するだけ」と話す。韓国の半導体産業が疎通と協力の「超融合」に失敗し、技術の「超格差」を喪失しているという診断だ。

◇先端は米国、低価格は東南アジアに…抜け落ちた韓国のパッケージング

先端パッケージングの核心顧客はエヌビディアやマイクロソフトのようなビッグテックだ。この市場を武器に米国政府は先端パッケージング技術を自国に吸い込んでいる。SKハイニックスは米インディアナ州にHBM用先端パッケージング生産基地を建設し、パデュー大学と研究開発協力に38億7000万ドル(約5685億円)を投資すると4月に明らかにした。サムスン電子も米テキサス州テイラーに先端パッケージングラインを検討中だ。

汎用半導体用伝統パッケージングは東南アジアが強う。米中対立で世界的に半導体供給網が再編され、マレーシアやベトナムなどに投資が集まる。5月にマレーシアのアンワル首相は53億ドルの半導体投資計画を明らかにし、「設計、パッケージング、テストなど6万人の半導体エンジニアを養成する」と話した。現在世界の半導体パッケージング市場の13%を占める自国の役割を増やすということだ。すでにインテルが70億ドルを投資してマレーシアのペナンにパッケージング施設を運営中だ。

先端技術に進む道は長く、伝統的な仕事は抜け出て行くため、韓国のパッケージング企業が集まる忠清道(チュンチョンド)は地域経済と雇用が揺れる危機だ。あるパッケージング企業代表は「われわれが望む方向と正反対に世界の半導体供給網が再編されている」と話した。ポステックのイ・ビョンフン教授は「人件費などの費用で韓国の伝統パッケージング競争力が消えており、先端パッケージングを育てなければならない」と話した。

韓国でパッケージングを強化するには場所と人材の問題も解決しなければならない。先月台湾TSMCは台湾・台南の工場を買収して先端パッケージング基地にすると明らかにしたが、ここは最先端半導体を生産する南部科学団地と隣接している。しかし韓国は京畿道(キョンギド)の華城(ファソン)、竜仁(ヨンイン)、平沢(ピョンテク)など既存のファブが位置する首都圏では各種規制によりクリーンルームを増やすのが容易でない。地方に行こうとすれば人材需給が難しい。サムスン電子が先端パッケージング研究陣を天安(チョナン)に送ると相当数が首都圏勤務の競合企業に転職したという。忠清南道(チュンチョンナムド)のあるパッケージング企業関係者は「新入社員教育で荒野に置かれた工場を見て失望し退社する社員も多い。青年層が地方に居住するためには個別の企業の努力を超え政府次元のインフラ支援が切実だ」と話した。