【社説】米国・日本のリーダーシップ交代…韓国、激変する国際情勢への対応を徹底すべき

AI要約

岸田文雄首相が来月下旬に行われる自民党総裁選挙に立候補しないと宣言し、バイデン米大統領も11月の大統領選挙を辞退したことで、日本とアメリカの最高指導者が共に交代することになった。

韓国政府は両国の指導者交代に伴い、外交安保力量の評価を急ぎ、国際情勢の不透明さに備える必要がある。

国際情勢の中で韓国政府は、バイデン大統領と岸田首相の任期を有効活用し、外交力の強化を図り、国内の課題にも注力すべきだ。

岸田文雄首相が来月下旬に行われる自民党総裁選挙に立候補しないと宣言した。岸田首相は昨年末に浮上した自民党と世界平和統一家庭連合(旧統一教)の癒着および裏金スキャンダルで急激な支持率下落に続いて辞任圧力を受けてきた。

日本は与党総裁が首相を兼ねる内閣責任制であり、岸田首相の総裁選不出馬宣言は首相再任の放棄となる。これに先立ち、再選を目指していたバイデン米大統領も11月の大統領選挙を辞退した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が「密着」して連携を追求してきた米国と日本の最高指導者が共に交代の道を歩むことになったのだ。

韓国政府としては両国のリーダーシップ交代による代案の用意が急がれる。米国の核で北朝鮮の核を抑止する拡大抑止力を強化することにした昨年の韓米ワシントン宣言、韓米日協力を明文化したキャンプデービッド宣言の効力持続などに対する点検が必要だ。トランプ氏は当選すれば北朝鮮と直接取引を進める可能性が高い。シャトル外交の復元を通した韓日の信頼回復と「残り半分の水」を日本が満たすという期待も当分は容易でない。

問題は両国の次期指導者が不透明であり、事前の対応が容易でない点だ。大統領選挙をおよそ80日後に控えた米国の民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領は誤差範囲内で接戦している。岸田首相の後任も小泉純一郎元首相の息子の小泉進次郎元環境相をはじめ6、7人が挙がるなど混戦状態だ。

国際情勢も一寸先が見えない。ウクライナがロシア本土を攻撃し、ロシアが反撃体制を整え、ウクライナ戦争は新たな様相を迎えた。一部ではロシアが本土侵攻を口実に戦術核を使用するという懸念もある。イスラエルやイランなど中東戦争の雰囲気が強まり、国際原油価格が上昇するなど、韓国の外交安保力量が試される。

ただ、バイデン大統領の任期が来年1月までであり、岸田首相は職責を1カ月以上維持するというのは幸いだ。韓国政府はバイデン大統領と岸田首相の残りの任期に従来の合意を維持できる安全装置を用意し、流動性を最小化する必要がある。また、最近の大統領室安保ライン交代で落ち着かない雰囲気を管理し、外交力の最大化に総力戦で取り組む必要がある。何よりも独立記念館長の任命強行、日本の佐渡金山ユネスコ登録過程で生じた国論分裂を収拾し、国力を一つに集めることに集中しなければいけない。激変の国際情勢の中で弱点を表さず、危機から光を放つ能力を見せる時だ。