中国外務次官、深圳の男児殺害は「前科者による個別事案」 駐中国日本大使と電話会談

AI要約

広東省深センで日本人学校へ登校中に刃物で刺された小学生の日本人男児が死亡した事件。日本大使が中国外務次官と電話会談し、申し入れを行った。

事件について、孫氏は「前科のある者による個別の事案」と説明。日本政府が深刻な受け止め、中国側に再発防止策や詳細情報共有、邦人の安全確保を求めた。

在中国日本大使館では、商会や日本人学校関係者を集めた緊急会合を開き、安全確保や事業活動継続の重要性を強調。在留邦人への支援が始まっている。

【北京=三塚聖平】中国広東省深圳(しんせん)で日本人学校へ登校中に刃物で刺された小学生の日本人男児が死亡した事件を受け、現場となった深圳で対応にあたっている金杉憲治・駐中国日本大使は19日、中国の孫衛東(そん・えいとう)外務次官と電話会談し、事件について申し入れを行った。北京の在中国日本大使館によると、孫氏からは事件について「前科のある者による個別の事案」との説明があったという。

金杉氏は電話会談で「日本政府として尊い人命が奪われる事態となったことを極めて深刻に受け止めている」と述べ、遺憾の意を表明した。中国側に再発防止策を講じることや事件の背景を含めた詳細情報の迅速な共有、邦人の安全確保と日本人学校の警備強化を強く求めた。

大使館によると、孫氏は「極めて遺憾であり、痛惜の念を禁じ得ない」と述べ、中国政府として日本人を含む外国人の安全を守るため「最大限の努力をしたい」と表明したという。

北京の在中国日本大使館では19日、中国に進出する日系企業の団体「中国日本商会」や日本人学校の関係者を集めた緊急会合を開いた。商会の本間哲朗会長(パナソニックホールディングス副社長)は冒頭、事件について「極めて深刻に受け止めている」と表明。中国側に対し「在中日本企業にとって従業員と家族の安心と安全の確保は、中国で事業活動を継続するための基本中の基本だ」と述べ、在留邦人の安全確保や、事件の背景を含めた詳細な情報の速やかな提供を求めた。

本間氏によると、会員企業の間では一時帰国やカウンセリングといった従業員らに対する支援が始まっているという。