バンクシーが8日連続新作 謎呼ぶ制作意図、「人類危機」を風刺?

AI要約

英国ロンドンで謎の芸術家バンクシーが8日連続で新作の動物絵を描き続け、SNS上でさまざまな解釈が飛び交っている。

バンクシーが連日公共施設に無許可で絵を描く異例の行動を見せ、警察当局は器物損壊の疑いを指摘している。

バンクシーの正体は不明だが、イェート出身のロビン・ガニンガム氏との説も浮上している。

バンクシーが8日連続新作 謎呼ぶ制作意図、「人類危機」を風刺?

 正体不明の芸術家バンクシーが5日以降、英ロンドン市内の建物の壁などに8日連続で新作の絵を描き、注目を集めている。絵はいずれも動物だが、制作の意図については説明しておらず、SNS(ネット交流サービス)上では多くの解釈が飛び交っている。

 作品は5日のヤギを皮切りに、ゾウ、サル、オオカミ、ペリカン、ネコ、ピラニアと続き、12日はサイが登場した。バンクシーはインスタグラムで、いずれも自身の作品と認めている。

 初日のヤギは建物の壁の出っ張り部分に描かれ、まるで崖の上にいるように見えたため、戦争や気候変動などで「人類が崖っぷちにある」ことを示しているとの説が浮上した。このほか新作が出るたびに、英各地で相次ぐ極右の暴動や中東情勢などと関連付ける見方も投稿された。

 バンクシーは通常、数カ月おきに作品を発表するため、これほど短期間で新作を出し続けるのは異例だ。

 ただ、バンクシーは公共施設に無許可で絵を描くことが多く、その違法性も指摘されている。英BBC放送によると、ピラニアが描かれたのは警察当局がロンドン市内に設置した見張り用のボックスだったため、バンクシーの行為は器物損壊の疑いもあるという。

 一方、オオカミが描かれた衛星アンテナは8日の公開直後、何者かに持ち去られた。

 バンクシーの正体は不明だが、英メディアによると、英南西部イェートで1970年代に生まれたロビン・ガニンガム氏との説が浮上しているという。【ロンドン篠田航一】