核廃棄物を10万年保管する「洞窟」 フィンランドで試運転へ

AI要約

フィンランドで建設中の世界初の高レベル放射性廃棄物最終処分場「オンカロ」が8月末に試運転を始める。最大6500トンの使用済み核燃料を保管する予定。

オンカロは南西部オルキルオト島で建設中で、地下450メートルに使用済み核燃料を保管する。10万年後までの保存を計画。

現在は試運転を行い、装置の正常動作を確認。政府は年末までに運転許可の判断を下す予定。

核廃棄物を10万年保管する「洞窟」 フィンランドで試運転へ

 フィンランドで建設中の世界で初めてとなる、原発から出た高レベル放射性廃棄物の最終処分場「オンカロ」が8月末にも全工程での試運転を始める。正式な操業が実現すれば、2120年ごろまでに最大で計6500トンの使用済み核燃料を受け入れることになる。

 フィンランド語で「洞窟」を意味するオンカロは同国南西部オルキルオト島で建設中だ。記者は、使用済み核燃料を容器に詰めて埋める地下450メートルの深さにある坑道に入った。ここで、放射能が減衰する10万年後まで保管する計画だという。

 地上建屋に入ると、使用済み核燃料を容器に詰める装置や地下に搬送する装置などの一部を見ることができた。オンカロを運営するポシバ社によると、試運転ではダミーの使用済み核燃料を使い、埋設までの全工程で装置が正常に動くかどうかなどを確認するという。

 フィンランドの原子力安全当局によると、現時点では、今年12月末までに安全性などに関する評価をまとめる予定。それを踏まえ、政府が運転許可の判断を下す。(フィンランド南西部オルキルオト島=寺西和男)