ロシアで収監の米国人記者解放 計26人「冷戦後最大規模」の身柄交換

AI要約

トルコ大統領府によると、米ロを含む7カ国による26人の身柄交換が行われ、ロシアで収監中の米国人記者も解放された。

交換された収監者は10人がロシア、13人がドイツ、3人が米国に送られ、NATOとロシアの間でトルコ情報機関が仲介したと報じられている。

被告人には記者の他に元米海兵隊員も含まれ、スパイ罪などの判決を受けていたが、身柄交換により釈放された。

ロシアで収監の米国人記者解放 計26人「冷戦後最大規模」の身柄交換

 ロイター通信によると、トルコ大統領府は1日、米国やロシアなど7カ国による収監者計26人の身柄交換が行われたと発表した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは同日、ロシアで収監中だった同紙の米国人記者エバン・ゲルシコビッチ氏が解放されたと発表した。英BBCは「東西冷戦以降では最大規模の身柄交換」と伝えた。

 交換の対象となったのは米ロのほか、ドイツ、ポーランド、スロベニア、ノルウェー、ベラルーシで収監されていた26人。10人がロシアに、13人がドイツに、残りの3人が米国にそれぞれ向かった。トルコメディアによると、北大西洋条約機構(NATO)のメンバーで、ロシアとも良好な関係を保つトルコの情報機関が仲介したという。

 ゲルシコビッチ氏は2023年3月、ロシア中部エカテリンブルクで取材中にロシア連邦保安庁(FSB)に拘束された。その後、防衛企業の軍事装備などに関する機密情報を米中央情報局(CIA)の指示で収集したとして起訴され、7月に禁錮16年の判決を受けていた。

 報道によると、ゲルシコビッチ氏の他に、ロシアで18年に拘束され、20年にスパイ罪で禁錮16年の判決を言い渡された元米海兵隊員ポール・ウィラン氏も身柄交換に含まれるという。【ワシントン松井聡】