失われゆく伝統を守れ! イタリアで「おばあちゃんとパスタ作り」が大盛況

AI要約

手打ちパスタの伝統が消滅の危機に直面しているイタリアで、手打ちパスタを守るための取り組みが紹介されている。

手打ちパスタを次世代に継承するために、ノンナたちがパスタ作りの教室を開いている。

ノンナたちの手打ちパスタ教室は人気で、世界中から5000人以上のゲストが訪れるようになり、さらに他の都市にも進出している。

失われゆく伝統を守れ! イタリアで「おばあちゃんとパスタ作り」が大盛況

イタリアで、日曜日の家族ランチの象徴だった手打ちパスタ。いま、その伝統が消滅の危機に瀕している。

「みんな、レストランに行ってしまうんです」

1990年代にイタリアの片田舎で育ったキアラ・レオーネ(37)は、米「ニューヨーク・タイムズ」紙にそう話す。彼女は、祖母の家で過ごしていた日曜日を覚えている。手打ちパスタの大きなシートが綿のシーツの上に干してあり、部屋にはラグーの香りが広がっていた。祖母はエプロン姿で、小麦粉をまぶした麺棒を手に彼女を抱きしめた──。

レオーネは、手打ちパスタ消滅を食い止めるため、幼なじみのキアラ・ニコランティ(37)とパロンバラ・サビーナというローマ近郊の小さな街に住む9人のおばあちゃん(ノンナ)たちと、「ノンナ・ライヴ」という会社を立ち上げた。そこではノンナたちが、週7日、1日5回までゲストを迎えて、パスタの作り方を教えている。

同社が誕生したのは、いまから7年前のこと。ニコランティが妊娠し、祖母と過ごす時間が多くなったときだ。彼女の目の前で、祖母はパスタをよく作っていた。ある日、ニコランティが「ねぇ、今日おばあちゃんと一緒に料理したい人いる?」というキャプションと共に祖母の写真をフェイスブックにアップすると、その投稿がバイラル化。「いつ、おばあちゃんとパスタを作れるのか」という質問が殺到しはじめたのだと、ニコランティはニューヨーク・タイムズに語っている。

最初の顧客のなかには、パスタマシンで「手打ちパスタ」を作るシェフもいた。その後、子供の頃にパスタの作り方を習ったものの、その後やめてしまったという人もやってきた。そして、世界中から観光客が訪れるようになったのだ。

近年では、パロンバラ・サビーナにある彼らの家には、年間約5000人のゲストがやってくる。Airbnbに掲載されているローマの「体験」では、彼女たちのアクティビティの評価はトップクラスだ。さらに、リクエストに応じてパリやイタリアのほかの都市にも進出するようになった。