鈴木宗男氏、侵攻後2度目の訪ロ 前回は帰国後に離党

AI要約

ロシアを訪れている鈴木宗男参院議員が、領土問題の解決や平和条約の締結を国益として掲げ、ウクライナ侵攻について日本政府の姿勢を批判している。

鈴木氏はロシアの要人との会談を通じ、福島第一原発処理水の問題や北方四島での漁業再開についても協議している。

彼はロシア寄りの姿勢を示し、G7に依存することなく日本政府が独自の対応を取るべきだと訴えている。

鈴木宗男氏、侵攻後2度目の訪ロ 前回は帰国後に離党

 ロシアを訪問中の鈴木宗男参院議員が29日、モスクワで日本の報道陣の取材に応じた。「領土問題の解決、平和条約の締結が日本の1番の国益だ」と訪ロの理由を説明し、ウクライナ侵攻をめぐり米欧とともにロシアと対立する日本政府の姿勢を批判した。際立ったロシア寄りの姿勢を示す鈴木氏は昨年10月にもロシアを訪問して外務次官らと会談していた。

 鈴木氏は同日、ロシアのヤコブレフ漁業庁副長官と会談。東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出の安全性を説明。北方四島周辺での日本漁船の安全操業の早期再開などについて議論した。31日は前駐日大使のガルージン外務次官らと会談するという。

 鈴木氏は「ヤコブレフ氏がクレムリン(ロシア大統領府)の判断が重いと述べた」として、「日本政府は国益に沿った対応をしなくてはならない」と、プーチン大統領の意向を踏まえた対応を政府に求めた。

 「G7(主要7カ国)の連携での一方的な肩入れは、本当に日本のためになるのか」「米国に引きずられるだけで日本が生きていけるのか」などとも持論を展開。占領地からのロシアの撤退を条件にしない中国などの和平提案を評価し、日本も協力するべきだと主張した。

 また、侵攻の根本原因はウクライナのゼレンスキー大統領や北大西洋条約機構(NATO)にあるとも主張。プーチン氏が提案した、ウクライナに実質的な降伏を求める和平協議の条件を踏まえ、日本政府が対応すべきだとした。

 ウクライナ侵攻後、ロシアを訪れた国会議員は鈴木氏だけ。ただ、昨年10月の訪問は、所属していた日本維新の会への事前の届け出がなかったことから、帰国後に離党することになった。