6000万円で「投資用マンション」を購入したエリート会社員の「意外すぎる末路」

AI要約

手堅いと思われている不動産投資には意外なデメリットがあることを、大手通信会社で働く辻晴彦さんの事例を通じて解説した。

辻さんが体験した「郊外不動産投資」のメリットとデメリットについて詳しく説明した。

郊外不動産投資における空室リスクや管理コストの増加、その他のリスクについても触れた。

6000万円で「投資用マンション」を購入したエリート会社員の「意外すぎる末路」

多くの人が「リスクが低く手堅い」と思っている不動産投資。大手通信会社で課長補佐を務める辻晴彦さん(仮名・36歳男性)もその一人だ。

【前編】『6000万円で「マンション投資」に手を出し、“大失敗”したエリート会社員の悲劇』で紹介したように、5400万円のローンを組んで神奈川県の海沿いのエリアのワンルームマンション4部屋を購入し学生向けに貸し出しはじめた辻さんだったが、予想外の事態に見舞われて、せっかくの物件を手放すことになる。いったい、彼に何が起こったのか?

辻さんの事例を参照しながら、不動産投資の意外なデメリットについて解説したい。

賢明な読者の皆様はおわかりだろうが、辻さんがセミナーで出会った「郊外不動産投資」には、メリットもあればデメリットもある。

大きなメリットは、購入価格の安さである。少ない元手で始められるし、都心部の物件に比べ月々のローン支払額を大幅に抑えられる。利回りの高さも魅力だ。郊外の賃貸物件の賃料は都市部よりやや下がる程度であるため、購入価格の割には利回りが高いともいえる。

デメリットは、空室リスクの高さだ。空室を避けるために賃料を引き下げざるをえない場合もあり、想定より家賃収入が下がるケースもある。

くわえて、賃貸ニーズが突然消失する可能性もある。郊外の賃貸マンションは、大学や工場など、ひとつの大規模施設に入居者を頼っているケースが多い。ひとたび工場が突然閉鎖されたり、大学の移転等が起こったりすると、もともと好立地ではない賃貸物件の需要は一気に消えてしまう。将来にわたって賃貸需要があるのか見込みを立てようにも、予測不可能なことが多すぎるといえるだろう。

さらに、郊外ならではの環境要因により管理コストや修繕費が嵩むこともデメリットのひとつだ。自然豊かな土地であれば、定期的に除草や害虫駆除をせねばならず、海が近ければ塩害などが生じるため、都市部の物件に比べて管理費や修繕費が高くつくことも多い。

そのほか、金利上昇リスクやオーナー自身のローン破綻、災害リスクなど、通常の不動産投資でも起こりうるリスクやデメリットがあるのはいうまでもない。