香港にフュージョン料理「WAKARAN」 長崎の和華蘭文化ベースに

AI要約

香港の新レストランバー「WAKARAN」が長崎港の歴史をテーマにオープン。店内は洗練された雰囲気で、料理はアジアと西洋の融合をコンセプトにしている。

料理には、大胆なアプローチが見られ、日本の伝統料理や香港の名物も取り入れられている。唐揚げや蒸し魚、独創的な寿司タコスなどが提供される。

ドリンクメニューも充実し、ハイボールを中心にしたカクテルが用意されている。店の営業時間はランチとディナーが設定されている。

香港にフュージョン料理「WAKARAN」 長崎の和華蘭文化ベースに

 レストランバー「WAKARAN」(Shop B, G/F, Pinnacle Building, 9 Ship Street, Wan Chai TEL 2866 3681)が7月1日、灣仔の飲食店が集まる船街にオープンした。(香港経済新聞)

 香港の飲食グループ「Epicurean Group」が手がけるもので、17~19世紀にかけての長崎港の魅力的な歴史からインスピレーションを得たという。店名の「WAKARAN」は長崎にある「和華蘭文化」を指し、日本の和、中国の華、オランダの蘭が溶け合った特有の文化のこと。かつて繁栄していた多様な文化の融合に敬意を表して名付けた。

 路面店の同店は、黒く縁取られた大きなフランス窓を配し、店内に赤のバーテーブルとハイスツールを並べ、黒い木製タイルの床、白いレンガの壁、大きな鏡のオブジェがある。10人がけのダイニングテーブルなども合わせ45席を備えた。フロア内には、鮮やかなテキスタイルと黒い家具を置き、AIが制作した抽象アートも飾る。

 オープンキッチンのカウンター席で、料理チームがゲストの目の前でライブで料理を提供する。厨房を率いるのは、17年の経験を誇るトミー・ツイ(Tommy Tsui)料理長。ツイ料理長はモダンなアジア料理に詳しく、香港の人気レストランで経験を積んできたという。

 アジア料理と西洋料理の知識を持つツイ料理長は、前菜でも大胆なアプローチを行う。Potato Crab Millefeuille(1個39香港ドル、2個~)は、何層にも重ねたカリカリのジャガイモのパイ生地に、カニ肉とマンゴーサルサをかけ、カラスミの一種「ボッタルガ」をすりおろして添えたもの。中国の伝統的なゴマ団子「煎堆」にヒントを得たTruffle Sesame Doughnut(1個44香港ドル、2個~)は、外はカリカリで、中には3種のキノコとコンテチーズを使い、削ったトリュフをトッピングする。

 同店を象徴するアイテムの一つ「Maki Tacos」は、揚げたパリパリののりに米をのせたのり巻きに生の魚介類や肉をのせ、タコスのシェルボックスに入れて提供する。

 唐揚げ「KFC 2.0」(138香港ドル)は「三黄鶏」の骨付き鶏を唐揚げにし、カリフラワーも揚げ、甘辛いユズチリソースをかけた。蒸し魚も香港の定番料理だが、日本の熟成技法を取り入れ、「Whole Roasted Dry “Ma Yau”」(288香港ドル)を用意。魚を軽く塩漬けにし、3日間干した後、柔らかく焼き上げた馬友魚。魚の骨からとっただしとココナツの風味を利かせたソースを下に敷いた。

 一晩寝かせた日本米をイカ墨で炊き、中華ソーセージ「臘腸」を使って子イカをトッピングした「Baby Squid Lap Cheong Fried Rice」(228香港ドル)は、鍋の底にあるカリカリのお焦げ「飯焦」の食感とスモーキーな香りがアクセントを加えている。

ドリンク類では、ハイボールに力を入れる。麦焼酎、ウオッカ、カラマンシー、ライム、ソーダをブレンドした「Calamansi Hi」をはじめ、焼酎、ユズジュース、ソーダの「Yuzu Chu」、ココナツ・ウオッシュド・ウイスキー、ライム、ソーダの「Tiki-Tiki」など。価格は、いずれも1杯78香港ドルに設定した。

 営業時間は、ランチ=12時~15時、ディナー=18時~23時。