インド中銀、自然利子率の推計値が上昇 金融緩和余地狭まる恐れ

AI要約

インドの中央銀行であるRBIが自然利子率の上昇を発表し、今後も上昇が予想されることを明らかにした。

アナリストは、自然利子率の上昇により中銀の金融緩和余地が狭まる可能性があると指摘している。

インドのインフレ率と政策金利に基づく実質金利の動向も報告され、金融政策の展望が示唆されている。

インド中銀、自然利子率の推計値が上昇 金融緩和余地狭まる恐れ

Swati Bhat

[ムンバイ 18日 ロイター] - インド準備銀行(RBI、中央銀行)は18日、同国の自然利子率の推計値が新型コロナウイルスのパンデミック以降上昇したと発表した。自然利子率は今後も上昇する見通しだ。潜在成長率の上昇が自然利子率を押し上げた。

アナリストの間では、自然利子率の上昇により中銀の金融緩和余地が狭まる恐れがあるとの見方が出ている。

RBIは2023/24年度第4・四半期(24年1─3月)の自然利子率を1.4─1.9%と推計。21/22年度第3・四半期には自然利子率は0.8─1.0%とみられていた。

インドのインフレ率は現在、5.1%で推移、RBIの政策金利は6.5%であるため、実質金利は1.4%となる。RBIは今年度の平均インフレ率を4.5%と予想しており、これに基づけば、実質金利は2%に上昇する可能性がある。

IDFCファースト・バンクのチーフエコノミスト、ガウラ・セン・グプタ氏は、自然利子率が中銀の推計範囲の下限であれば、今年度に50ベーシスポイント(bp)の利下げ余地があるが、推計範囲の上限であれば、利下げ余地はないと指摘。「われわれは今年10─12月に始まると見込まれる金融緩和サイクルが小幅な利下げにとどまるとの予想を維持している」と述べた。