「戦争終わらせよ」追い詰められるハマス指導者…イスラエルのガザ地区空爆は続く

AI要約

パレスチナのイスラム組織ハマスのガザ地区最高指導者が内部で戦争終結の圧力を受けている。米CIAも関与し、停戦合意に影響が出る可能性がある。

停戦案の基本枠組みに合意したことで、停戦交渉の進展が見られるが、イスラエルのガザ地区への空爆が続き、具体的な停戦条件は未定。

国連はガザ地区で妊産婦の食料不足や医療不足が深刻であることを報告。ガザ地区の戦後管理にも課題が残る。

パレスチナのイスラム組織ハマスのガザ地区最高指導者ヤヒヤ・シンワル氏が内部で戦争を終わらせるべきとの圧迫を受けているという外信報道が出てきた。米国をはじめとする仲介国は交渉の核心人物であるシンワル氏が置かれたこうした状況が、膠着状態に陥った停戦合意にどのような影響を及ぼすのか注目している。

CNNによると、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は13日にアイダホ州サンバレーで開かれた非公開会議でこのように明らかにした。CNNは会議に参加した消息筋の話として「CIAはシンワル氏が部下の軍指揮官から戦争を終わらせるよう圧迫を受けていると判断している」と伝えた。

バーンズ局長はこの席で「シンワル氏は死を恐れないと話しているが、ガザ地区住民らの苦痛が大きくなっていることに対する責任があるという批判に直面している」と話したという。これに対しCNNは「シンワル氏が内部で圧迫を受けている点は新しく出てきた事実。戦争に疲れたハイレベル指揮官もこうした主張をしているとみられる」と説明した。停戦交渉のカギを握っているシンワル氏は現在ガザ地区ハンユニスのトンネルに潜伏しているとされる。

シンワル氏がこうした状況に置かれたのはハマスとイスラエルが停戦案の基本枠組みに合意したことに伴ったものとみられる。ハマスが今月に入り「永久終戦」の要求から一歩後退する兆しを見せるなど交渉の可能性が大きくなり、強硬論を掲げるのが難しくなったという意味だ。

こうした理由から停戦交渉を主導してきたバーンズ局長は「合意の可能性がいつになく大きい」と最近明らかにした。イスラエルのネタニヤフ首相もやはりハマスに拘束されている人質を救うため停戦交渉にもっと積極的に出るべきいという圧力を受けているからだ。

問題はイスラエルがガザ地区に対する空爆を止めていない点だ。この日もイスラエル軍は人道主義区域を含むガザ地区各地を空爆し最小60人が死亡した。イスラエル軍のガザ地区空襲が連日続き、ハマスは最近「民間人密集区域に対する爆撃は大量虐殺」としながら当分停戦協議に入らないと通告した。ただイスラエルが交渉に真摯に臨むならば会談を再開するという条件を付けた。

これと関連し、ワシントン・ポストは「交渉進展も進展だが今後数週間以内に劇的に停戦が実現するとしてもそれからが問題。戦後のガザ地区をだれが管理するのか決まっていない状況でバイデン政権が(仲介国として)やるべきことは山積している」と指摘した。

◇国連「ガザ地区で妊婦数万人が食料危機」

一方、国連人道問題調整事務所(OCHA)はこの日、ガザ地区全体で食料不足が深刻で妊産婦が飢餓の危機に直面していると発表した。OCHAによると、毎日平均180人が劣悪な医療条件の中で出産しており、病院がイスラエル軍の空爆にさらされており状況はさらに悪化している。

OCHAは「ガザ地区で出産関連医療サービスは病院11カ所と野戦病院の一部だけで可能な状況。これら医療施設さえも燃料不足でインキュベーターなど必須装備の作動が難しい」と懸念している。