「いっそ時給を上げて週休手当てなくそう」韓国自営業者のため息

AI要約

来年度の最低賃金引き上げにより、自営業者や小商工人が週休手当てを廃止しようとする動きが拡大している。

超短時間労働者の増加が週休手当ての支給を避けるための手段となっており、青年層にも影響が及んでいる。

制度改善の必要性が指摘されており、週休手当てに代わる労働市場の変革が求められている。

「いっそ時給を上げて週休手当てなくそう」韓国自営業者のため息

来年度の最低賃金が1万30ウォン(約1146円)に決まり、人件費負担が大きくなった自営業者や小商工人の間で週休手当てを廃止しようという声が力を増している。週休手当ては週15時間以上勤めた労働者に1週間に1日有給休暇を与えるようにした制度だ。5日働いても6日分の賃金を払う形だ。現場では週休手当て支給を避けるため事業主が超短時間雇用を増やしたり無人化・機械化を本格的に進めて雇用に悪影響を及ぼしているという指摘が出る。

韓国統計庁が15日に明らかにしたところによると、1週間15時間未満で働く超短時間労働者は先月170万人で6月としては過去最も多い数字を記録した。1年前より14万5000人(9.3%)増えた。超短時間労働者は週休手当てを得られず、雇用保険の加入対象でもないため質の低い雇用に選ばれる。

高齢層の場合、韓国政府の高齢者公共雇用事業が増えたのに伴って増加した面があるが、問題は青年層でも超短時間雇用が増加している点だ。統計庁のマイクロデータ分析によると、先月の20~30代の超短時間労働者は約40万人で、コロナ禍当時の2021年6月に41万人を記録してから2番目に多い。全国カフェ社長連合会のコ・ジャンス会長は「賃金上昇により週休手当て負担が大きくなり超短時間雇用が増えた影響」と話した。

ソウル市内で3年にわたりでカフェを運営しているキムさんもそのうちの1人だ。週7日勤務で体力に限界がきてアルバイトを採用しようとしているキムさんは「1日2~3時間ずつ勤めるアルバイトを2人ほど雇いたい。1人がずっとやれば仕事の完成度はあるが週休手当て負担が大きいため」と話した。

自営業者のオンラインコミュニティでは「最低賃金は1万30ウォンでなく1万2000ウォンとみるべき」という主張が出てきた。来年の最低賃金を基準に1日8時間ずつ5日勤務すれば週給40万1200ウォン(1万30ウォン×8時間×5日)以外に週休手当てとして8万240ウォン(1万30ウォン×8時間)が追加されるためだ。時間当たりで計算すれば2006ウォンずつ増える。

仁川(インチョン)で5年にわたりカフェを運営中であるパク・クムソンさんは3カ月前に自動オーダーシステムのキオスク端末を導入した。注文を受けるために雇ったアルバイトは2人から1人に減らし、その1人も勤務時間を1日8時間から5時間に減らした。パクさんは「キオスク端末の使用料は月5万5000ウォンほどだが、機械1台でアルバイト1.5人分の働きをする」と話す。

農林畜産食品部が全国3000店以上の飲食店を標本調査した結果、キオスク端末導入率は2020年の3.1%から2022年には6.1%に増えた。韓国雇用情報院の報告書によると、飲食店でキオスク端末を導入する場合、販売・サービング労働者の雇用を11.5%減らすことが明らかになった。

専門家たちは1953年に勤労基準法が制定されて導入された週休手当て制度に手を入れる時になったと口をそろえた。当時はまともな休日もなく長時間労働に苦しめられる低賃金労働者を保護する目的で導入されたが、週休2日制が定着した状況で小商工人・自営業者の負担を過度に加重しているという理由からだ。

漢城(ハンソン)大学経済学科のパク・ヨンボム教授は「週休手当てを避けるために超短時間雇用をすれば労働者の立場では2カ所以上で働かなければならないという意味。労働市場をゆがめる古い制度だ。社会的議論を通じて制度改善が必要だ」と話した。