トランプ氏に追い風 機密文書持ち出し、米連邦地裁が起訴棄却

AI要約

フロリダ州の連邦地裁判事がトランプ前大統領のスパイ防止法違反などの罪を棄却

判断を受けたトランプ氏は追い風を感じ、再選を目指す意向を示す

トランプ氏は自身のソーシャルメディアで違法な起訴の撤回を求める

トランプ氏に追い風 機密文書持ち出し、米連邦地裁が起訴棄却

 米南部フロリダ州の連邦地裁判事は15日、トランプ前大統領(78)が在任中に取得した機密文書を許可を得ずに持ち出したなどとしてスパイ防止法違反などの罪に問われた裁判で、起訴を棄却する判断を下した。捜査を指揮したジャック・スミス特別検察官の任命が違法だとする弁護側の申し立てを認めた。

 トランプ氏が抱える四つの刑事裁判のうち一つがなくなり、11月の大統領選で返り咲きを目指すトランプ氏の追い風になるとみられる。判断を下したのは、トランプ政権時に指名されたアイリーン・キャノン判事。

 トランプ氏は棄却の判断を受け、自身のソーシャルメディアに「フロリダでの違法な起訴の棄却を最初の一歩として、全ての魔女狩り(の起訴など)が速やかに棄却されるべきだ」と投稿した。

 トランプ氏は2021年1月に大統領を退任した際、米軍の核兵器に関する情報を含む機密文書を同州の自宅に持ち出し、国立公文書記録管理局(NARA)の要請や連邦大陪審の召喚状による命令を受けても一部の文書しか提出しないなど、同法違反や司法妨害の共謀、文書の不正隠蔽(いんぺい)などの罪で23年6月に起訴されていた。【ワシントン西田進一郎】