「プライベートエクイティに買収されるメリット」をIPOを果たしたCEOが語る

AI要約

2023年10月にソフトバンク以来となる5年ぶりの大型上場を果たした半導体製造装置メーカーのコクサイエレクトリック。

親会社がKKRであったからこそ、コクサイエレクトリックは組織の革新ができたという。

プライベートエクイティの傘下に入ることは、企業にとってどのような意味があるのか。

KOKUSAI ELECTRIC(コクサイエレクトリック)は2023年10月25日、東京証券取引所プライム市場に上場した。IPO時の評価額は36億ドルで、KKRは7億2000万ドルの利益を得た。

日本のプライベートエクイティ界隈においてめったに見られない偉業となった成功例。

コクサイエレクトリックを率いる金井は、プライベートエクイティの仕組みを理解する必要があり、買収後に学ぶことを迫られた。

「プライベートエクイティに買収されるメリット」をIPOを果たしたCEOが語る

2023年10月にソフトバンク以来となる5年ぶりの大型上場を果たした半導体製造装置メーカーのコクサイエレクトリック。上場する前、コクサイエレクトリックはプライベートエクイティKKRの傘下にあった。親会社がKKRであったからこそ、コクサイエレクトリックは組織の革新ができたという。プライベートエクイティの傘下に入ることは、企業にとってどのような意味があるのか。

代表取締役の金井史幸が率いるKOKUSAI ELECTRIC(コクサイエレクトリック)は2023年10月25日、東京証券取引所プライム市場に上場した。5年前の通信大手ソフトバンク以来となる大型新規株式公開(IPO)だった。

IPO時の評価額は36億ドル(約5760億円)で、同社の株式を保有していた米プライベートエクイティであるコールバーグ・クラビス・アンド・ロバーツ(KKR)は7億2000万ドル(約1080億円)を得た。KKRが2017年に、日立製作所からコクサイエレクトリック(当時は日立国際電気の一事業)を買収した当時の評価額は17億ドル(約2570億円)だった。

KKRは無事に売却して利益を出したわけだが、これは日本のプライベートエクイティ界隈においてめったにお目にかかれない偉業だ。日本での案件探しはややこしく、銀行も貸し出しを渋るので、この成功はアピールのチャンスでもある。

とはいえ、コクサイエレクトリックを率いる金井(67)は長い間、プライベートエクイティとはいったい何なのか、まったくわかっていなかった。

「私たちはそもそも、プライベートエクイティの仕組みをさっぱり理解できていませんでした」と金井は白状する。「製造業界では、プライベートエクイティに関する認識は漠然としていて、何かを右から左に動かして資金を調達しているだけという感じでした」

金井がプライベートエクイティの仕組みを早急に学ぶことを迫られたのは、同社がKKRに買収され、日立コングロマリットの傘下を数十年ぶりに離れたときだった。