ロシア領内への越境攻撃に沈黙するプーチン大統領 避難者への補償は約1万6000円

AI要約

ウクライナからの侵攻を受けたロシアの現状についてプーチン大統領の沈黙や報道の歪曲が問題となっている。

ウクライナ侵攻を最初に報じた「Zブロガー」による情報が正確だったことが分かり、ロシア側の誤報を指摘している。

避難者の情報が隠される中、ウクライナとロシアの緊張が高まる状況下での事件が明らかになってきている。

ロシア領内への越境攻撃に沈黙するプーチン大統領 避難者への補償は約1万6000円

8月24日で、ロシアがウクライナへ侵攻を開始して2年半が経過する。

このタイミングでロシアは第2次世界大戦後、初めてとなる外国軍によるロシア領土への本格的な侵攻を受けている。

にもかかわらず「国民の安全を守る強いリーダー」を自負するプーチン大統領は、ウクライナの攻撃について不自然なほど言及しない。

そして、ロシア国内でも避難者の状況を伝える報道は極端に少ない。

ウクライナが越境攻撃を加えているロシア西部クルスク州の国境地帯から300kmほど北東に位置するオリョール市。中心地の建物に支援物資が集められている

ここに来れば、避難者の現状が何かわかるのではないか。

ウクライナが攻撃を始めて1週間後の8月13日。その現場を訪れた。

現場を監督している女性は当初、取材を許可してくれた。しかしほんの数分後、私たちは同じ女性により建物から追い出された。

「撮影をやめてください。今すぐに出て行って下さい!」

なぜ、避難者の情報は隠されるのか。

プーチン大統領が沈黙する理由とは何なのか。

(ANN取材団)

ウクライナによるロシア領への直接攻撃を最初に伝えたのは、ウクライナ侵攻を支持し、ロシア軍に同行取材を繰り返している「Zブロガー」と呼ばれる人たちだった。

8月6日の早朝、彼らはウクライナ側から重装備の武装集団が国境を越えてロシアに侵入したと伝えた。彼らの情報によれば、かなり大規模な攻撃のようだ。

しかし直後の同日午前10時、クレムリンに近いテレグラムチャンネル「マッシュ」が、その報道を打ち消す形で、攻撃を仕掛けてきた約100人の武装集団をロシア側が撃退したと報じた。ロシア国防省やクルスク州のスミルノフ知事代行は攻撃を受けたことは認めたものの「ロシアは国境を突破させなかった」と発表した。

しかし、事実は違った。「Zブロガー」たちのほうがより正確だった。

「Zブロガー」らは「撃退した」とするロシア国防省の発表は虚偽だと訴え、大規模なウクライナ軍に国境を越えられたロシア軍の「失態」を批判し続けた。