トランプ氏暗殺未遂、容疑者を捉えた映像が新たに浮上

AI要約

トランプ前大統領が演説中に銃撃を受けた事件で、容疑者のクルックス氏が犯行前に映像に捉えられていたことが判明。

クルックス容疑者は警戒をあおりつつも、容疑のある行動は見られず。

警察がクルックス容疑者を発見するまでの経緯を明らかにし、警戒体制の混乱が事件の進行に影響を与えた可能性を示唆。

(CNN) トランプ前大統領が7月に米ペンシルベニア州バトラーでの演説中に銃撃を受けた事件をめぐり、トーマス・クルックス容疑者が発砲の約1時間半前に演説会場を歩いているところを捉えた映像が新たに浮上した。

映像は午後4時26分ごろのもので、販売業者のジョー・トムコさんが撮影していた。映像にはクルックス容疑者や他の集会の参加者が記念品を売っているブースの前を通り過ぎる様子が映っている。クルックス容疑者は最終的に近くの建物の屋根からトランプ氏に向かって8発発砲し、集会に参加していた1人が死亡したほか、2人が負傷した。

トムコさんの映像は、集会のあった日にクルックス容疑者を捉えたものとして知られているものの中では最も初期のものとみられる。会場にいたクルックス容疑者を捉えた画像はほとんど表に出てきておらず、公開された画像は粗くて遠くから撮影されたものだった。

新たに浮上した映像では、クルックス容疑者は灰色のTシャツとズボンを身に着けている。不審なそぶりはなく、武器は携帯していない様子で、AGRビルに向かって歩いている。

CNNが位置情報やメタデータを調べたところ、トムコさんがクルックス容疑者を撮影したのは地元当局者が最初にクルックス容疑者を撮影する約1時間前だった。

AGRビルに配備された地元の特別機動隊(SWAT)の隊員がクルックス容疑者に気づくのは午後5時14分ごろ。AGRビルはクルックス容疑者が発砲することになる建物に隣接していた。この隊員は、警官がライフルを設置していた窓の下にクルックス容疑者が座っているのに気が付いた。ビーバー郡の狙撃手グレッグ・ニコルさんはCNNの取材に対し、クルックス容疑者に何か不審なものを感じて写真を撮影したと述べていた。

その約15分後、ニコルさんはクルックス容疑者がトランプ氏が演説を行う場所に向かって距離計を握っているのを発見した。混乱のなか39分にわたって容疑者の捜索が行われ、法執行機関の間の連絡の不備が明らかとなり、結果的にシークレットサービス(大統領警護隊)にとって過去数十年で最悪の失態とみられる出来事が起きた。