トランプ氏が拳振り上げる写真、米大統領選挙揺さぶる…襲撃後「当選可能性70%」(2)

AI要約

大統領選挙に衝撃を与える銃撃事件が起こり、トランプ氏の支持層結集が加速化する見通しである。

共和党内ではトランプ氏を英雄として崇拝する気運が高まり、彼の大統領選勝利の可能性が高まっている。

バイデン氏には候補交代論の影響が懸念される一方、大統領選に与える影響は限定的かもしれないとする見方もある。

◇大統領選挙構図に動揺…共和党「バイデン審判せよ」

大統領候補を正式に確定する共和党の党大会を2日前にして起きた今回の銃撃事件は大統領選挙の構図を揺るがす大型変数になる見通しだ。事件直後に病院で治療を受けて退院したトランプ氏は支持者らに送った電子メールで「私は絶対屈服しない」としながら支持層の選挙キャンペーン参加を促した。

共和党関係者とトランプ陣営は血を流したまま拳を振り上げたトランプ氏の写真をソーシャルメディアに上げて支持層結集を試みた。また、8日に「トランプ氏を標的の中央に置かなければならない時」と発言したバイデン大統領を狙い、「バイデンを投票で審判しなければならない」(トランプ陣営クリス・ラシビタ共同選対委員長)、「バイデンを暗殺扇動容疑で起訴しなければならない」(マイケル・コリンズ共和党下院議員)という主張も出てきた。

主要外信と政治専門家の間では今回の暗殺未遂事件がトランプ氏の支持層結集を加速化させるだろうという見通しが出ている。CNNは「支持者により征服できない英雄と見なされてきたトランプ氏は遊説場で超自然的な崇拝対象だった。敵から攻撃を受け続ける彼の戦士のイメージはより強固になるだろう」と報道した。

トランプ氏に「被害者」「殉教者」というイメージが付け加えられ支持層がさらに積極的に投票するだけでなく、中道・観望層の有権者のうち一部がトランプ氏に決める契機になるという予想も出ている。

政治専門メディアのポリティコは「トランプ氏は今回の攻撃で生き残った。彼はたったいま選挙で勝利した」(デリック・バン・オーデン下院議員)などの発言を伝えながら今回の襲撃事件で共和党内では「すでに選挙で勝った」という気流が形成されていると伝えた。実際に米国のイベントベッティングサイト「ポリマーケット」ではトランプ氏の大統領選挙勝利の可能性が70%で前日より10ポイント上がった。バイデン大統領勝利の確率は16%にとどまった。

この日共和党は銃撃事件にもかかわらず、2日後に迫った党大会を予定通り開催すると明らかにした。支持者の立場では検察起訴、暗殺未遂など多様な苦難を克服したトランプ氏がついに大統領候補として正式に指名される「勝利の瞬間」と認識することができる。

◇ポリティコ「共和党大統領選勝利の雰囲気」

大統領候補の健康問題と結合する場合、候補交代論に苦しめられているバイデン大統領に不利な悪材料として作用する可能性もある。ジョン・ラッセル氏は「候補辞退の圧迫を受けているバイデン氏が持ちこたえる名分のひとつが自身と同じキャリアのある政治家が必要だということだったが今回の事件でむしろ米国社会統合に向け新たな構図を組むことができる若い政治家が出なければならないとの主張が大きくなり候補辞退の世論に油を注ぎかねない」と予想した。

ただ大統領選挙に及ぼす影響が限定的かもしれないという予想もある。ソ・ジョンゴン教授は「すでに米国の有権者の90%近くは候補を心の中で固めた状態で、約10%の中道層有権者は『非好感候補対決』の構図で投票の意向が低い有権者であり、彼らがトランプ氏襲撃事件でトランプ氏に入れる側に転じる可能性は高くなさそうだ」と話した。

民主党政治戦略家デイビッド・アクセルロッド氏はザ・ヒルに「最初からとても激しい選挙だった。もうどのように流れるのか予想するのが難しくなった。それでも近く行われる共和党大会にトランプ氏が参加すれば一種の殉教者のように大歓迎を受けることは明らかだ」と予想した。