韓国、今年から第2次ベビーブーマー引退始まる…「年成長率0.4p下落」衝撃波

AI要約

"第2次ベビーブーマー"世代が引退時期に入り、韓国の経済成長率が下落する可能性があるとの韓国銀行の分析が出た。

第2次世代の引退により労働人口が減少し、経済成長に影響が出ると指摘。

一方、肯定的な所得・資産の高さや勤労意欲の増加により、政策改善で否定的影響は縮小される可能性もあると示唆された。

韓国、今年から第2次ベビーブーマー引退始まる…「年成長率0.4p下落」衝撃波

 「第2次ベビーブーマー」世代が今年から引退時点に入り、韓国の経済成長率が年間0.4ポイント下落する可能性があるとの韓国銀行の分析が出てきた。韓国銀行は「継続雇用および定年延長について社会的議論が必要な時点」と提言した。

 韓国銀行は1日発表した報告書「第2次ベビーブーマー引退年齢進入にともなう経済的影響評価」で、第2次ベビーブーマー世代(1964~1974年生まれ)に属する954万人(総人口に占める比重18.6%)が今年から順次法定引退年齢(60歳)に進入したことにより、これらの世代の引退が雇用率に及ぼす影響をシナリオ別に分析した。

 それによれば、60代男女の雇用率が2023年水準(男68.8%・女48.3%)を維持するシナリオでは、第2次ベビーブーマーの引退にともなう就業者数の減少で経済成長率が今後11年間(2024~2034年)にわたり年平均0.38%下落すると推定された。ただし、この分析はベビーブーマーの引退が青年層の労働市場新規進入や全要素生産性などに及ぼす影響は考慮されなかった。昨年引退年齢進入が完了した第1次ベビーブーマー(55~63年生まれ705万人、総人口に占める比重13.7%)の場合、労働人口減少により2015~2023年の年間経済成長率が0.33%下落したと韓銀は推定した。

 報告書は「今年からは第1次より規模が大きい第2次ベビーブーマーが労働市場を離脱することにより、成長潜在力がさらに大幅に落ちるのではないかという憂慮が提起される」とし「第2次ベビーブーマーの場合、第1次世代より良好な経済・社会・文化的特性があり、効果的な政策と制度変化が後押しすれば否定的影響は相当に縮小できると予想される」と診断した。

 韓国銀行は第2次ベビーブーマー世代の肯定的特徴として相対的に高い所得・資産と勤労意欲を挙げた。統計庁の経済活動人口調査によれば、55~79歳の内で継続勤労を希望する回答者の比重は2012年の59.2%から2023年は68.5%に大幅上昇した。韓銀は60歳以上の雇用率が最近10年間の上昇率を持続する場合、今後10年間の経済成長率の下落幅も当初の予想値(0.38%)より低い0.24%に縮小されると分析した。もし日本の定年延長(60→65歳・2006年)後の60代男女雇用率上昇傾向に従う場合には、成長率下落幅が0.16%にさらに減ると推定した。

 第2次ベビーブーマーの引退が内需基盤を強化する可能性もあるとの主張も韓銀は出した。第2次ベビーブーマー世代の純資産規模が第1次ベビーブーマー世代より相対的に大きく、平均消費性向(消費支出を可処分所得で割った割合)も高いという理由からだ。

 韓国銀行のイ・ジェホ調査総括チーム課長は「第2次ベビーブーマーの良好な経済・社会・文化的特性に効果的政策が加われば、彼らの引退が成長潜在力に及ぼす否定的影響は相当に縮小されるだろう」とし、「高齢層の雇用延長制度と資産流動化および年金制度改善など政策的後押しについて社会的議論が必要な時点」と主張した。

キム・フェスン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )