モディ印首相がプーチン氏に「解決策は戦場で見つからない」 ウクライナ侵略巡り再び苦言

AI要約

モディ首相がロシアのプーチン大統領に平和的解決を求めるメッセージを伝えた。

インドはこれまでロシア非難に加わってこなかったが、西側からの批判も受けている。

モディ首相のメッセージはロシアだけでなく、西側諸国にも伝える意図がある。

ロシアの首都モスクワを訪問中のインドのモディ首相は8日、プーチン大統領に対し、「解決策は戦場では見つからない」とのメッセージを伝えた。インド外交筋が9日、産経新聞に明らかにした。ロシアのウクライナ侵略を巡り、平和的解決を求めたものとみられる。

モディ氏は2022年9月に訪問先のウズベキスタンのサマルカンドでプーチン氏と会談した際、「今は戦争の時代ではない」と述べていたが、今回の会談でも改めてプーチン氏への説得を試みた形だ。

インドはこれまで、ウクライナ侵略に関し、国連総会などの場で民主主義陣営主導のロシア非難に加わってこなかった。

6月にスイスで開かれたウクライナが提唱する和平案実現に向けた「世界平和サミット」に代表を派遣した際にも、ウクライナの「領土保全の尊重」などをうたった共同声明に「当事者双方に受け入れられる選択肢だけが不変の平和につながる」などとして署名していない。

西側諸国からはこうしたインドの対応に民主主義の価値観を共有する観点から厳しい視線も向けられており、今回のモディ氏のメッセージはロシアだけでなく、西側諸国にも伝える意図がありそうだ。(岩田智雄)