「明るく健康だった娘」…韓国の精神病院で「拘束死」、遺族が被害者の生前の姿を公開

AI要約

精神病院で5点拘束を受けたPさんが死亡し、遺族が無念を訴える。遺族はPさんの生前の姿を公開し、改善を要求。

遺族はPさんが生前活発で健康だったが、ダイエット薬依存症から抜け出そうとし、病院に助けを求めた経緯を語る。

精神病院での隔離・拘束や薬物投与に対する人権侵害問題が浮上。精神障害者団体が改革を訴える動きも活発化。

「明るく健康だった娘」…韓国の精神病院で「拘束死」、遺族が被害者の生前の姿を公開

 両手両足と胸を縛られる「5点拘束」を受け精神病院の隔離室で死亡したPさん(33)の遺族が、Pさんの名前と生前の姿の映像を公開し、無念を訴えた。遺族は「二度とこのようなことが起きないように医療システムを改善してほしい」と要求した。

 Pさんの遺族が先月ユーチューブチャンネル「安全地帯TV」に提供した映像を20日に確認すると、遺族は故人の葬儀の場面、知人たちの哀悼の言葉とともに、生前のPさんの様子と名前を公開している。動画が投稿されたユーチューブチャンネルはPさんの兄が経営するファッション業者で運営するもので、Pさんもこの会社の取締役として働いていたという。映像にはイタリア留学時代の幸せそうなPさんの様子とともに「私の妹は32才の若くて健康な女性で、家族の喜びであり希望だった」という兄の言葉が字幕で表れる。

 遺族は映像とともに掲載した文で「娘は入院前まで非常に活発で身体的にも健康なほうだった」とし、「名門大学の大学院生として学業にも入れ込んでいたが、一時の誤った考えでダイエット薬依存症に苦しみ、新たな精神で生き直そうと考え、これを克服するために放送を通じて知った富川Wジン病院に助けを求めた」と語った。

 遺族はさらに「病院は娘の状態をきちんと把握できず、個室への監禁と不適切な薬物処方および管理によって娘の命を奪った」とし、「二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、病院の医療システムを徹底的に調査し改善してほしい」と述べた。

 Pさんの死が知らされた後、精神病院で行われているむやみな隔離・拘束、「ゾウ注射」と呼ばれる高用量の薬物投与など、人権侵害に対する問題提起が続いている。精神障害者の当事者団体である韓国精神障害者連合会(ハン・ジョンヨン)をはじめとする29の精神障害連帯団体は9日、富川Wジン病院前に集まり「隔離・拘束事件糾弾決起集会」を開き、「隔離・拘束を禁止せよ」と叫んだ。これらの団体は23日、精神疾患の当事者が集まった「精神病院改革連帯」を結成し、病院内の人権侵害を防ぐための法改正運動などに取り組む計画だ。

パン・ジュンホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)