米最高裁、トランプ氏の免責を一部認める 選挙結果転覆の公判はさらに遅れ

AI要約

トランプ前大統領の刑事免責をめぐる最高裁判決が遅れ、連邦事件がさらに紆余曲折する可能性が高まった。

最高裁は、在任中に犯した罪について一定の刑事免責を認める可能性があるとの見解を示し、事件を下級審に差し戻した。

リベラル派判事の反対意見や最高裁長官の指摘が事件の今後の展開に影響を与えることが予想される。

米最高裁、トランプ氏の免責を一部認める 選挙結果転覆の公判はさらに遅れ

(CNN) 米連邦最高裁は1日、トランプ前大統領は任期の終盤に取った行動の一部について刑事免責を主張しうるとの判断を示した。この判断により、選挙結果転覆の試みを巡る連邦事件の公判はさらに遅れる公算が大きくなった。

最高裁で今年最も注目集めた今回の事件。判決は連邦控訴裁の今年2月の判断を退けた。控訴裁の判断では、トランプ氏は2020年大統領選の結果を覆す目的で在任中に犯したとされる罪について、免責を認められないとの見解を示していた。

最高裁の判断は賛成6、反対3で、リベラル派が反対に回った。リベラル派のソトマイヨール判事は強い言葉遣いの長文の反対意見を発表し、最高裁の判断を痛烈に批判した。

最高裁のロバーツ長官は今回の意見で、「権力分立を定めた我が国の憲法構造の下では、大統領の権力の性質上、元大統領は在任中の公的行為について一定の刑事免責を有することが求められる。少なくとも中核的な憲法上の権利の行使に関しては、この免責は絶対的なものでなければならない」と指摘した。

一方で「公的でない行為については免責は認められず、大統領のすべての行為が公的となるわけではい。大統領は法を超越した存在ではない」とも記した。

ロバーツ長官によると、最高裁が示した新たな基準に基づき、事実審はトランプ氏の行為のどの部分が免責対象になるか見極める必要がある。事実審が判断を下すためには追加の説明が必要になるという。

一方、バレット判事は最高裁がさらなる手続きのため事件を下級審に差し戻したことに不満を表明。起訴に対するトランプ氏の全面的な異議申し立ては失敗に終わったのだから、事件の少なくとも一部については手続きを前に進めることができるとの見方を示唆した。