<北朝鮮内部>携帯電話での撮影を強力に統制  国内外へ「恥部」拡散を憂慮か? 「写真一枚さえ自由に撮れない」

AI要約

北朝鮮で携帯電話を使用する人が増えているが、当局が写真や動画撮影の取締まりを強化している

携帯電話使用者数は400万〜600万人で、スマートフォンの普及率も高い

撮影物には検閲があり、特定の場面や情報を撮影、流布すると処罰の対象となる

<北朝鮮内部>携帯電話での撮影を強力に統制  国内外へ「恥部」拡散を憂慮か? 「写真一枚さえ自由に撮れない」

北朝鮮で携帯電話を使用する人が増えている。だがここにきて、当局が携帯電話端末での写真や動画撮影の取締まりを強化していることが分かった。外部には知られたくない撮影物が、住民間で拡散されることや海外へ流出することを防ぐための措置と見られる。(チョン·ソンジュン/カン·ジウォン)

北朝鮮における携帯電話使用者数は、統計によって差があるが、400万~600万人程度と推算される。移動通信の運用が本格化した2008年以降、着実に増え続けてきた。

今、住民の多くは「知能型携帯電話機(スマートフォン)」を使用している。写真、動画の撮影はもちろん、国内のイントラネット(限られた範囲でアクセスできる内部ネットワーク)に接続する機能などを備えている。当局はこうした機能を通じて、北朝鮮内部の様子や情報が国内外に拡散されることを強く問題視しているようだ。

7月上旬、両江道(リャンガンド)に住む協力者は、「携帯電話での撮影の取締まりが非常に厳しくなっている」と伝えてきた。

「以前から、撮影物の取締まりはよくありました。(携帯電話の)押収捜索ではまず写真から検閲するんです。最近は、動画や写真を問題視することが増え、取締まりが厳しくなりました。確かな情報なのか分かりませんが、先月プーチンが平壌を訪問した際、携帯電話で1号写真(金正恩氏ら一族を含む写真のこと)を撮った人がいて、大きな問題になったという噂があります」

協力者は6月29日、「女性同盟(朝鮮社会主義女性同盟)」の会議で、安全局(警察)の人間が次のように警告した伝えた。

「記念写真だとしても、国の重要施設の前で撮影したものや、火事などの事件事故、逮捕場面、社会的な騒動などを撮影した動画を保管したり、流布したりすれば、法的処罰を受けることもある。携帯電話を持っている人は注意しなければならない、と通告されました」

この協力者は、「携帯電話を持っていても、写真一枚さえ、まともに撮ることができない。写真に軍事施設や工場企業所、商店の値札、『コチェビ(浮浪者)』などが写っていれば、外部に送るためかと疑われ、集中的に検閲を受ける」と、厳しい取り締まりに対し不満を吐露した。