「ハリス、トランプと接戦」…「ミシェルが出馬すれば楽勝」

AI要約

バイデン大統領選挙への再出馬に対する不満と候補交替論が拡散している。

民主党内から議員の候補辞退論が初めて提起され、バイデン氏の支持率が下降傾向にあることが示唆されている。

バイデン氏の対抗馬としてカマラ・ハリス氏やミシェル・オバマ氏が有力視されており、民主党内外で様々な動きが見られる。

「ハリス、トランプと接戦」…「ミシェルが出馬すれば楽勝」

米国のバイデン大統領の正面突破宣言にも民主党大統領選候補交替論は拡散の一途だ。バイデン氏本人は大統領選挙レース「完走」への意志を曲げないでいるが、「テレビ討論完全失敗」でパニック状態の民主党、明らかに下降傾向にある世論調査結果、バイデン氏に背を向けた親民主党派メディアなどはバイデン氏に「決断」を迫る流れに変わっている。

◇15選議員「バイデン退くべき」…初の進言

水面下で不満が渦巻いている民主党からは2日(現地時間)、現役議員が公開的に「候補辞退論」を初めて切り出した。その先陣を切ったのは15選のロイド・ドゲット下院議員だ。

ドゲット氏はこの日声明を出して「過去リンドン・ジョンソン元大統領が再選挑戦放棄という苦渋の決定を下したように、バイデンも諦めるべきだ」と主張した。ジョン・F・ケネディ政府の副大統領だったジョンソンはケネディ暗殺後に大統領職を引き継ぎ、1964年大統領選挙で大勝して再任した。その後68年大統領選挙に再び挑戦したがベトナム戦の戦況悪化と経済危機により民心が波立つと大統領選挙予備選から下車した。

党内からはこのような声が徐々に大きくなるだろうという観測が多い。民主党のMarie Gluesenkamp Perez下院議員は地域放送のインタビューで「バイデンが11月大統領選挙でトランプ前大統領に敗北すると予想する」と「直言」した。これまでバイデン氏を擁護してきたオバマ元大統領も再選の可能性を楽観できなくなっているという報道が出てきた。ワシントン・ポスト(WP)はオバマ氏が最近知人たちに「ただでさえ困難の多いバイデンの再選挑戦がさらに厳しくなった」という趣旨の発言をしたと報じた。

ロイター通信は米下院民主党のある補佐官の言葉を引用し、民主党下院議員25人が今後数日間にバイデン氏が不安定な姿を見せた場合、バイデン氏に候補辞退を要求する準備をしていると伝えた。この補佐官は今週予定されたバイデン氏のABC放送インタビューが試金石になるとみている。

バイデン氏の候補競争力は副大統領であるカマラ・ハリス氏にやや押されているという調査結果もある。テレビ討論直後である先月28~30日に実施されたCNN・SSRS(世論調査機関)の調査で、バイデン氏とトランプ氏の両者対決時には2人の支持率はそれぞれ43%、49%で差が6%ポイントだった。ハリス氏とトランプ氏の対決時は45%対47%で差が2%ポイントに狭まった。またもう一人の代案走者として議論される人々もトランプとの仮想対決で4~5%の差で敗北することが分かった。

こうした中、オバマ氏の夫人ミシェル・オバマ氏が登場する場合、トランプ氏を軽くリードするという調査結果が出た。2日に公開されたロイター・イプソス(Ipsos)の世論調査で、バイデン氏とトランプ氏の支持率はそれぞれ40%で同率を記録したが、ミシェル・オバマ氏とトランプ氏の正面対決時には50%対39%で相当な差で優勢だった。ミシェル・オバマ氏はこれまで実施された各種世論調査で民主党候補群に対して最も高い支持率を記録している。

ミシェル・オバマ氏は気さくで飾らない姿で人気が高かった。回顧録『マイ・ストーリー』(原題『Becoming』)が大ヒットし、大衆との接触面を広げてきた。このため大統領選候補として直接出馬することもあるという観測が絶えなかったが、そのたびに「政治と合わない」と言って否定してきた。

◇バイデン氏、討論後は各激戦州で下り坂

テレビ討論以降、各激戦州でバイデン氏の支持率は下降線をたどっている。米主要メディアは民主党内で候補交替論が拡散するとみている。11月大統領選挙だけでなく、上・下院選挙で共倒れになる可能性があるという危機感が民主党政治家の「生存本能」を刺激しているという。

バイデン氏は3日、民主党所属州知事と懇談会を持つなど公開行事に相次いで姿を現して完走意志をアピールした。また、5日に報道されるABCニュース深層インタビューで健在ぶりを誇示し、ウィスコンシン(5日)・ペンシルベニア(7日)などの激戦州での遊説も再開する。バイデン氏は2日、バージニア州マクリーンで開かれた選挙資金募金行事で「テレビ討論を控えて外国を相次いで訪問したことは賢明ではなかった」とし、討論失敗の原因を疲労の累積だとし「(討論当時)壇上で眠りそうだった」と話した。