米メリーランド州、大麻関連の有罪17.5万件以上に恩赦

AI要約

メリーランド州知事が大麻所持などによる17万5000件以上の有罪判決に恩赦を与えるための行政命令に署名

恩赦を受ける数万人に人種的な不均衡を是正する狙いがある

バイデン大統領や他州でも大麻規制緩和の動きが進んでいる

米メリーランド州、大麻関連の有罪17.5万件以上に恩赦

 米東部メリーランド州のムーア知事(民主党)は17日、大麻所持などによる17万5000件以上の有罪判決に恩赦を与えるための行政命令に署名した。米メディアによると、対象は数万人に上る見込み。

 同州では昨年7月、娯楽用の大麻使用が合法化されたが、それ以前の逮捕者は黒人が白人の3倍に上っていた。恩赦を出すことで人種的な不均衡を是正する狙いがあるとみられる。

 大麻所持などによる軽犯罪の前科が対象。メリーランド州で初の黒人知事であるムーア氏は、雇用や教育の機会を奪われるなど、合法化前に有罪判決を受けた人たちの「痛み」を和らげるため「大きな一歩を踏み出す」と述べた。

 米調査機関「ピュー・リサーチ・センター」によると、連邦法で大麻使用は違法だが、全米50州のうち24州と首都ワシントンが娯楽用の使用を合法化している。ほかに14州が医療用に限り使用を認めている。

 バイデン大統領は大麻の規制緩和を進める方針を示しており、2022年10月には連邦法に基づく大麻所持などの犯罪歴を抹消する恩赦を発表した。州単位ではこれまでに、西部コロラド州やネバダ州などで同様の動きが出ている。【ニューヨーク中村聡也】