「棒と石」で戦う兵士たち...中印国境の衝突...過去動画が再浮上した「意外な理由」

AI要約

中国とインドの国境沿いの係争地で衝突した両国軍の兵士が棒や石で戦う様子を撮影した新たな動画が、中国のソーシャルメディアで公開された。

2020年に起きた衝突やその背景、兵力の状況などが報じられており、両国関係の緊張が浮き彫りになっている。

さらに、中国軍が死亡した兵士に敬意を表するための動画公開や、インドと中国の指導者間の関係についても触れられている。

「棒と石」で戦う兵士たち...中印国境の衝突...過去動画が再浮上した「意外な理由」

中国とインドの国境沿いの係争地で衝突した両国軍の兵士が棒や石で戦う様子を撮影した新たな動画が、中国のソーシャルメディア・微博(ウェイボー)で公開された。

このドラマチックな映像は、核保有国同士の軍事的緊張を浮き彫りにしている。この地域では2020年に何度も衝突が起きており、中国とインドの兵士は棒や石を使って攻撃し合った。両軍は国境地帯をパトロールする兵士に銃を携帯することを禁じる協定を結んでいたからだ。

Clash Reportというソーシャルメディアのアカウントは6月8日、国境地帯で衝突する中国人民解放軍(PLA)とインド軍の新たな動画が公開されたと伝えた。

「新たな国境の衝突で、中国人民解放軍兵士がインド人兵士を殴打する様子が映し出されている」と、Clash ReportはX(旧ツイッター)に投稿した。

2020年にラダック東部の係争地で中印両軍のにらみ合いが始まって以来、両軍ともに少なくとも5万人の兵士が向かい合って駐屯している。インド軍は15~20万人の兵士を送り、中国軍と対峙させていると報じられている。

2020年6月、ヒマラヤの渓谷でインド軍と中国軍のパトロール隊が激しい小競り合いを起こし、20人のインド軍兵士と少なくとも4人の中国軍兵士が死亡した。この地域の紛争で死者が出たのは、約50年ぶりのことだった。

中国の意図的な流出か

本誌が以前報じたところによると、PLAはインド軍に匹敵する兵力を有しており、新疆ウイグル自治区とチベット軍事地区から最大20万人の兵士を派遣しているという。

本誌が分析したところでは、今回の動画は2020年当時の衝突の際に撮影されたものだが、以前出回ったものとは別の角度から撮影されている。ここ数日、中国の軍事ブロガーたちは微博で、2020年の軍事衝突の際に撮影された古い動画を共有している。

「中国は、不法侵入した外国軍兵士との衝突で死亡したPLAの兵士に敬意を表するため、2020年6月に起きたラダック地方ガルワン渓谷における中印国境紛争の動画を公開した」と、中国国営メディアのチャイナ・ニュースは2021年2月に報じた。

PLAの兵士が撮影した衝突の動画は、通常、Xで公開される前に、まず微博で公開される。

こうした動画の流出は初めてのことではない。中国の軍事ブロガーは過去にも同様の動画を流出させている。最新の動画は、インドの新内閣の発表と、ナレンドラ・モディ首相の3期目の就任宣誓式と同じタイミングで投稿された。

世界の主要国の指導者たちはみな、モディに祝福の言葉を送っているが、中国の習近平(シー・チンピン)国家主席はまだ当選を祝うメッセージを出していない。中国外務省は声明でモディを祝福した。