全日本アンダージュニアボクシング王者の森山柚樹が高校でも日本一狙う…札幌清拳ジムの14歳

AI要約

札幌清拳ジムの森山柚樹(14)は全日本UJボクシング王座決定戦で優勝し、全国タイトルを獲得した。

競技を始めたきっかけや指導者からのサポート、自身の成長過程について語られている。

今後もさらなる成長を目指し、高校での日本一を目指すと意気込んでいる。

全日本アンダージュニアボクシング王者の森山柚樹が高校でも日本一狙う…札幌清拳ジムの14歳

 札幌清拳ジムの森山柚樹(14)は8月に行われた全日本UJ(アンダージュニア)ボクシング王座決定戦(茨城・水戸)の中学男子57キロ級に、東日本代表として出場。西日本代表の横川壱乃介(大阪・長尾中)に判定勝ちし、チャンピオンに輝いた。念願の全国タイトル。「やっとつかめました」と実感を込めて拳を握りしめた。

 「戦いごっこ」が好きだった少年は、小学4年から札幌市清田区の札幌清拳ジムで競技を始めた。サッカー選手だった父、バスケットボール選手だった母のDNAを受け継ぎ、長身と手足の長さ、俊敏性が大きな武器に。その潜在能力を見抜いた田中康行会長(49)は「相手につかまらない距離感を保ってポイントを稼ぐ」スタイルを徹底的にたたき込んできた。

 弱点だったのはメンタルだ。何度も全国大会に進出しながら「試合になると緊張して何もできなかった」と初戦負けが続いた。壁を破るには、自分より強い相手と拳を交えるしかない。7月の東日本王座決定戦前にはK―1選手、今大会前にはプロボクサーの胸を借りた。

 これまでにない度胸を持って臨んだ頂上決戦。「足を使って相手を入らせず、自分の有利な距離でパンチを打てた。思うようなボクシングができた」。関西の強豪相手にフルマークの完勝。中学の集大成を飾った。だが、これで終わりではない。東日本王座決定戦でもダウンを奪った必殺の右アッパーへつなげるコンビネーションを増やし、次は高校での「日本一」を目指す。

(石井 睦)

 ◆森山 柚樹(もりやま・ゆうき)2009年12月3日、札幌市生まれ。14歳。札幌東月寒中3年。しらかば台小4年からボクシングを始める。右利きだが昨年12月から左にスイッチ。得意パンチは右ジャブと右アッパー。好きな選手はWBC世界バンタム級王者の中谷潤人。175センチ、57キロ。家族は両親と兄、弟、妹。

 ◆全日本UJボクシング王座決定戦 地方大会、ブロック大会、東・西日本大会を勝ち抜いた選手が戦うワンマッチの大会で、東西から各階級1人ずつ出場し、日本王者を決定。男女とも小学生の部(1分30秒3ラウンド)と中学生の部(2分3ラウンド)がある。11回目の今年は8月24、25日に茨城県水戸市で開催された。