佐々木尽「日本人で世界ウエルター級王者は過去に誰もいない。すぐにでも(世界戦は)やれる」

AI要約

23歳の佐々木尽が東洋太平洋とWBOアジア・パシフィック・ウエルター級タイトルマッチに勝利し、7回TKO勝利を収めた。

佐々木は左フックを武器に強打を浴びせ、相手を圧倒。3回にはダウンを奪取し、7回には連打で試合を終了させた。

また、佐々木は世界戦をアピールし、世界ランキングでも上位に位置する実力を見せつけた。

佐々木尽「日本人で世界ウエルター級王者は過去に誰もいない。すぐにでも(世界戦は)やれる」

<プロボクシング:東洋太平洋、WBOアジア・パシフィック・ウエルター級タイトルマッチ>◇12回戦◇3日◇有明アリーナ

 アジア2冠王者佐々木尽(23=八王子中屋)が防衛(東洋太平洋初、WBOアジア・パシフィック4度目)に成功した。

 東洋太平洋同級8位、WBOアジア・パシフィック同級10位カミル・バラ(35=オーストラリア)の挑戦を受け、7回0分52秒、左フック連打によるレフェリーストップによるTKO勝利。現在、世界4団体でランキング上位に入る実力をみせつけ、試合視察した米プロモート大手トップランク社のボブ・アラムCEO(92)にも世界挑戦をアピールした。

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 アジア2冠王者らしく、フィジカルが強い挑戦者を圧倒した。距離を詰め、プレッシャーをかけながら左フックを強振。2回に偶然のバッティングで左目上をカットしたバラに対し、さらに攻撃を強めた。左右両ボディーでスタミナを削り、3回には左フックでダウンを奪取。ボディー攻撃からの連打で攻め続け、7回に飛び込みながらの左フック2連打。そのままレフェリーストップに追い込んだ佐々木は「フィジカルに強い相手に勝てた。最後はKOで倒せてよかった」と充実した笑みを浮かべた。

 昨年7月、左肩腱板(けんばん)断裂の手術を受け、今年5月に試合復帰したばかり。その不安を一掃する左強打をみせつけ「(世界)タイトルマッチも間近に見えている。日本人で世界ウエルター級王者は過去に誰もいない。すぐにでも(世界戦は)やれるし、いけると思う」と力強く言い切った。

 現在、同級の世界ランキングでもWBO3位を筆頭にWBAとIBFで4位、WBCも5位と世界4団体で5位以内に入る。リング上では試合が海外でライブ配信されていることを意識。英語で「日本人史上初の世界ウエルター級王者になる男だ。覚えておけ!!」とマイクアピールした。

 さらにリングサイドで視察していた世界的プロモーターのアラム氏に向け「(世界)タイトルマッチをやらせてください」とアピール。世界的にも選手層の厚い階級で、佐々木がまた1歩、世界に近づいた。【藤中栄二】