【楽天】早川隆久、地元で球団左腕初の10勝「いろいろ思い出の詰まった球場」

AI要約

楽天左腕早川隆久が地元で10勝達成し、球団史上初の快挙を達成

ZOZOマリンでの力投でロッテを相手に初回適時二塁打などを許すも、大事な勝利をもたらす

過去の思い出や地元愛を背景に、チームと自身の更なる成長に向け前進を誓う

【楽天】早川隆久、地元で球団左腕初の10勝「いろいろ思い出の詰まった球場」

<ロッテ1-2楽天>◇6日◇ZOZOマリン

 楽天早川隆久投手(26)が地元の庭で「Ten Wins Carnival」を開演した。千葉生まれで木更津総合出身の左腕が、3位ロッテとの直接対決で8回2/3を1失点と力投。球団20周年の節目の年に、球団左腕では初の10勝に到達。プロ4年目で初の規定投球回もクリアした。チームは3位ロッテとの4連戦第2ラウンドを制して1勝1敗の五分に戻し、Aクラス圏内まで2・5ゲーム差とし、勝率も5割に復帰した。

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 早川は守護神・則本からぽんと頭をたたかれると、控えめに笑みを浮かべた。2年ぶりのZOZOマリン。あと1アウトまで行きながら完封は逃したが、9回途中1失点と力投。地元千葉で球団左腕初の10勝に到達し、楽天の歴史を塗り替えた。「うれしいですけど、あくまでも通過点ではあると思う。うれしいという気持ちは今日までしっかりかみしめて、CSに向けて自分ももう一段階引き締めてやっていければと思います」と淡々と振り返った。

 懐かしさと親しみのある、球場特有の風を利用しながらロッテ打線を手玉に取った。2回から8回までは二塁を踏ませない投球。しかし9回に乱れた。先頭に四球を与え、2死一塁からソトの適時二塁打で1点差に迫られた。「10勝もそうですけど、この大事なCS争いというところでの力みの方が強かった」。2死二塁として降板し、幕切れをベンチから見届けた。

 ZOZOマリンは特別な場所だ。小さい頃は地元ロッテのファン。当時の主力だった今江敏晃(現楽天監督)、岡田幸文(現楽天1軍外野守備走塁コーチ)らは憧れの存在だった。「今江さんもそうですし、岡田さんもライトスタンドで応援させてもらっていました」。右翼席から「い~ま~え」と今江コールなどで盛り上がったのも思い出だ。

 木更津総合時代には、3年夏の千葉大会決勝で甲子園出場を決めた。「自分の中でもいろいろ思い出の詰まった球場です」。早大をへてプロ4年目で迎えた、千葉の夜。楽天のユニホームをまとい、右翼席ではなく左翼席の楽天ファンを沸かせる力投で、球団史にも自分史にも残る、新たな思い出を刻んだ。

 試合前には、氣志團の歌声が耳に届いた。「自分がブルペンで投げているときも『One Night Carnival』を聴けたので、テンション上がりながらもしっかり落ち着かせてマウンドに入ることできたかなと」。10勝で満足しない。チームも自身ももっとアゲアゲに、球団最強左腕の道を突き進む。【山田愛斗】

 ▽楽天今江監督(早川の球団初の10勝に)「もう本当に自分のことのようにうれしい。彼にとっては通過点ですけども、10勝という球団初のことができて、チームみんながうれしいことだと思うので、これは1つ大きな価値だと思う」