【ONE】デンバー大会でトンガ人フィティケフと戦う手塚裕之「戦闘民族を倒す農耕民族!」

AI要約

手塚裕之がONE168デンバー大会に5連勝中で初出場する。対戦相手はトンガ人のイシ・フィティケフ。手塚は高地と時差の調整のために早めに現地入りし、相手選手の分析を受けるなど万全の準備を整えている。

手塚は相手の強さを認めつつも、自信を持って試合に臨む構え。対戦相手の戦術を想定し、打撃か寝技かを問わずフィニッシュを狙う姿勢を見せている。

デンバー大会への出場には特別な思いがあり、アメリカで試合することで名前を売りたいと意気込んでいる。勝利を目指して万全の準備を整えている手塚裕之の挑戦に期待が高まる。

 日本時間9月7日午前9時から始まる「ONE168デンバー大会」(ボールアリーナ)に、現在ONEで5連勝(5連続フィニッシュ)中の手塚裕之(34=山田道場/TGFC)が出場する。“ジャパニーズ・ビースト”はONEの米国大会には初出場。王座戦を目指す上で負けられない一戦で、ニュージーランド生まれ、オーストラリアで育ちのトンガ人、イシ・フィティケフと対戦する。以下、大会を配信するU-NEXTから届いた手塚のオフィシャルインタビューの一部をお届けする。

 -ファイトウイークよりも1週間早く現地入りした

 「時差と高地対策です。前戦までタイだったのでちょっと違うので早めに入っておこうかと1週間近く早めに入りました。ただ、別に時差も関係なく1日目から過ごせちゃってて(笑い)。高度とかもあんまりよくわからないです、体感なので、別に疲れる時は疲れるしな、みたいな」

 -早く入った分の時間はどのような過ごし方ですか

 「スパーリングや激しい追い込みは日本で終えてきて、こちらで調整という感じで、打ち込み中心で練習している感じです。Pound 4 Poundムエタイ(以下P4P)というジムで練習しています。前回コロラド合宿に来たとき、平良達郎くんに紹介してもらって、そこのコーチと一緒に練習をしています。クレムというP4Pのムエタイのコーチがすごく良くしてくれて。謝礼を払いたいと伝えたのですけど『そういうのじゃないから』という感じで(受け取ってもらえず)。戦略面でも相手をめちゃくちゃ細かく分析したデータをメールで送ってくれたりと、自分が帰国してからも気にしてくれて。今回は試合前にお世話になるのでさすがにお金を払わせてほしいと言ったのに断られてしまって。ジムのオーナーにも『(平良)達郎も君も、謙虚で、ファイターとして持っている資質がすばらしいから。ウエルカムなんだよ』と言ってくださって。結局支払えず、逆にTシャツをもらってくるという(笑い)」

 -分析データの印象は

 「僕自身があまり詳しく研究して見るタイプじゃないので『こんなところまで見てくれているんだ』って。相手のクセを何個か挙げてくれて、そこにこう攻めてこうして、というようなパターンをいくつか作ってくれた上で、でも実際はファイトだから、何が起こるかわからないから、それも頭に入れたうえで戦っていこう、ということも言ってくれて助けになりました」

 -通常は相手を想定した対策練習はあまりしない?

 「あんまりやらないですね。ミットで、相手の得意なパンチや入り方に合わせたカウンターの練習をする程度ですかね。あとは寝技だったら相手の得意な形にならないために、まず相手の得意なポジションから練習を始めるというくらいです」

 -あらためてフィティケフ選手の印象は

 「強いと思っています。戦績もいいですし、しっかりフィニッシュもしているファイターなので世界トップレベルだとは思います。ただ、世界トップレベルという意味では、自分は前回の合宿でもUFCのウエルター級の選手たちともスパーリングをしていて、そこで全然自分もやれるなっていう自信につながっているので、問題ないです」

 -今回「コメVSタロイモの代理戦争」とおっしゃっていました

 「マーク・ハントが好きで、彼の強さについて調べていた時に、タロイモをめっちゃ食っていたと知って。サモア(ハントはサモア系ニュージーランド人)の人はタロイモが主食なんですよね。日本ではあまりなじみがないですから、どんなものなのかなと。それから向こうの(ポリネシアの)人たちって、マオリに代表されるような戦闘民族ですよね。対戦相手にそういう血が流れていることを想像すると、たぎりますよね! 戦闘民族を倒す農耕民族!」

 -どのような展開に

 「相手は僕が唯一ONEで負けた試合を研究してくる感じがします。そうすると同じようにタックルで漬けにくるかなと思うのですけど、それに対してはしっかり切って、逆に自分がテイクダウンするか、その前に打撃で仕留めてしまうか、どちらにせよ相手のやりたいことはできずにこちらがフィニッシュしていると思います。打撃か寝技かはわからないけれどフィニッシュは狙います」

 -ご自身のMMAキャリアが始まった米国でデンバー大会に出る特別な思いは

 「総合格闘技を始めた土地ですし、アマチュアのキャリアもずっとこっちで積んで『プロになって、自分がアメリカに呼ばれて試合をすることになったか!』と感慨深いことをちょっと思った瞬間はあるのですけど。そこでやっぱり勝たないと、別に『アメリカで試合がしたかった』ってわけじゃなくて『アメリカで試合をすることで名前を売りたい』ので、しっかりフィニッシュしたいですね」