「鬼の居ぬ間に」今季2勝目!全英女子と同週開催で上位10人不在の大混戦を21歳が制し年間ランクも5位に浮上

AI要約

桑木志帆が2勝目を挙げ、通算12アンダーで首位を守り切った。

桑木は左右に曲がる難コースを見事に攻略し、週3回の練習と経験豊富なキャディーの協力もあって優勝した。

桑木はビール断ちを実践し、メルセデス・ランクでは5位に浮上。2勝目を挙げた21歳は自信を深めて年間女王を目指す意気込みだ。

「鬼の居ぬ間に」今季2勝目!全英女子と同週開催で上位10人不在の大混戦を21歳が制し年間ランクも5位に浮上

 2人が並ぶ首位で出た桑木志帆(21)=大和ハウス工業=が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算12アンダーに伸ばして逃げ切った。6月の資生堂レディスに続く今季、通算ともに2勝目を手にした。出場を見送った海外メジャー、AIG全英女子オープンと同週開催の大会を制し、年間で争うメルセデス・ランクで5位に浮上した。鶴岡果恋(かれん、25)=明治安田=らが2位だった。

 30センチのウィニングパットを沈めると、桑木は両手を突き上げて喜んだ。グリーンの優勝ジャケットに袖を通し、さらに表情を崩した。「初優勝よりも緊張した。最後までショット力を信用できた」。16番で3パットのボギーで4人がトップに並ぶ大混戦となった。17番。「あれが決め手だった」と9アイアンでピン2メートルにつけて伸ばし、勝負を決めた。

 今週のパーオン率約81%は全体2位。左右に曲がるドッグレッグの多い難コースをショットで攻略した。今大会では北海道のトップアマ、工藤大之進さん(38)をキャディーに起用。週3回ほど桂GCをラウンドし、隅々まで知り尽くす。不規則な風の読みや第1打のクラブ選択などで助言をもらい、桑木は「経験ある方にサポートしてもらった」と感謝した。

 全英女子と同週開催で大会前のメルセデス・ランク上位10人が不在。父・正利さん(66)は「鬼の居ぬ間に、だね」と笑い、国内に残っての優勝を喜んだ。本人は2勝目を挙げるまで大好きな「ビール断ち」を実践。優勝で前週の12位からランク5位に浮上した。国内メジャー3戦を残す秋の陣へ、自信を深めた21歳は年間女王に向けて「この調子で行けば、見えてくると思う」と強気に語った。

(岩原 正幸)

 ◆桑木 志帆(くわき・しほ)2003年1月29日、岡山市生まれ。21歳。4歳でゴルフを始める。岡山理大付高を卒業し、倉敷芸術科学大在学中。21年6月のプロテストで一発合格。昨季はメルセデス・ランク10位で初のシード入り。6月の資生堂レディスでツアー初優勝。憧れは同郷の先輩・渋野日向子、吉田優利。得意クラブはドライバー。164センチ。