フェルスタッペン、来季メルセデスF1入りの路線は消滅。夏休み中に協議とウルフ代表明かす「可能性はゼロじゃなかった」

AI要約

メルセデスF1のCEO兼チーム代表のトト・ウルフは、2025年にマックス・フェルスタッペンを起用する“可能性”があったことから、サマーブレイク中にフェルスタッペンのマネジメントチームと話し合いを行なったという。

フェルスタッペンは契約上、既に来季もレッドブルに残留することが決まっていたが、2024年シーズン開幕当初のチーム内での権力闘争に加え、チーム代表のクリスチャン・ホーナーのスキャンダル疑惑浮上と、ギクシャクした雰囲気に包まれており、今季限りでチームを去る可能性があるという憶測が飛び交っていた。

ウルフ代表は、F1イタリアGPのフリー走行1回目でアントネッリがメルセデスから出走することから、チームが2025年のアントネッリ起用に大きく傾いていることを暗示させた。

フェルスタッペン、来季メルセデスF1入りの路線は消滅。夏休み中に協議とウルフ代表明かす「可能性はゼロじゃなかった」

 メルセデスF1のCEO兼チーム代表のトト・ウルフは、2025年にマックス・フェルスタッペンを起用する“可能性”があったことから、サマーブレイク中にフェルスタッペンのマネジメントチームと話し合いを行なったという。ただメルセデスとフェルスタッペンは別々の道を歩み続けることで合意。代わりに、メルセデスの“秘蔵っ子”アンドレア・キミ・アントネッリとの契約に向けて一歩前進したようだ。

 フェルスタッペンは契約上、既に来季もレッドブルに残留することが決まっていたが、2024年シーズン開幕当初のチーム内での権力闘争に加え、チーム代表のクリスチャン・ホーナーのスキャンダル疑惑浮上と、ギクシャクした雰囲気に包まれており、今季限りでチームを去る可能性があるという憶測が飛び交っていた。

 フェルスタッペンの移籍先として考えられていたのが、ルイス・ハミルトンが来季フェラーリへ移籍することで1席が空くメルセデスだった。

 またホーナー代表と緊張関係にあったとされるレッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコがチームを去った場合に発動されるフェルスタッペンの契約解除条項があることが明らかになり、フェルスタッペンがいきなりメルセデスへ移籍するのでは……とも考えられていた。

 ただレッドブルはフェルスタッペン流出を阻止すべく、マルコと2026年まで契約を延長するという内容の覚書を交わし、契約解除条項の発動は回避されたように思われた。

 しかしその後もウルフ代表は、フェルスタッペンのマネジメントチーム、つまり父親のヨスや、マネージャーのレイモン・フェルミューレンと話し合いを続け、サマーブレイク中には今後に関する協議が行なわれたと明かした。

 しかしフェルスタッペンが2025年にメルセデスへ加入することはないという結論に達したという。

「この1年、ずっとウィンドウが開いている、可能性があると思っていた。可能性はゼロではなかった」とウルフ代表は説明した。

「パフォーマンス上の理由だけでなく、人間関係の問題もあると分かっているから、道のりは依然なだらかではなかった」

「とはいえ、私はずっとヨスと良い関係を築いていた。ちょっと似たもの同士だからかな。だから、その扉が完全に閉ざされることはないと思っていた」

「そうなる可能性は? おそらく10分の1だ。それでも諦めたくはなかったが、サマーブレイクに会って、2025年に向けて何か起こるのを待ってからコミットするのではなく、レッドブルのマックスと、ここメルセデスで、自分たちの仕事を続けながらドライバーを決めていこうという結論に達したのだ」

「それがある種、共通の考えだったのだ」

 ウルフ代表はシーズン序盤、フェルスタッペンを獲得するためなら「逆立ちをする」と示唆し、サマーブレイク中にトライして「手首を痛めた」とジョークを飛ばした。ただ、これはメルセデスがジョージ・ラッセルのチームメイトに誰を起用するか迷っている段階でのことだった。

 ウルフ代表は、フェルスタッペンやそのマネジメントチームとの話し合いは率直なモノで、2025年をめぐって全ての関係者がオープンに話をしたと説明した。

 その中で、フェルスタッペンが将来的にメルセデスへ移籍するかもしれないという憶測についても「問題はなかった」とウルフ代表は明かした。

「マックス、レイモンド、ヨスの3人が好きなのは、ストレートに話すところだ。互いに押し付け合う必要はない。我々は長いことやってきたし、来年のドライバーは決まった。ここに我々の全力を注いでいる」

「これが2026年以降のラインアップになることを願っている。しかし、だからといってマックスが2026年以降、我々と一緒にいるという可能性を閉ざすわけではない。隠された意図は決してないというのが、話していて楽しかった」

「(メルセデスとフェルスタッペンの道が交わるという)予感はなんとなくしている。でも、それがいつになるのかは分からない。それが2026年なのか、3年後なのか、まだ分からないよ」

 ウルフ代表はまた、F1イタリアGPのフリー走行1回目でアントネッリがメルセデスから出走することから、チームが2025年のアントネッリ起用に大きく傾いていることを暗示させた。

 オランダGP決勝日に18歳の誕生日を迎えるアントネッリは、以前からハミルトンの後任候補と目されており、ウルフ代表はアントネッリとラッセルがメルセデスの長期計画の一部であると語った。