京都国際、3年ぶり4強 西村一毅は2戦連続、チームは3戦連続完封勝利

AI要約

京都国際が智弁学園を4-0で下し、準々決勝に進出した記事です。投手の西村が135キロの直球で活躍し、チームを勝利に導きました。

西村は緩急を使った投球で相手打者を抑え、奪三振やタイミング外しで無失点を保ちました。過去の対戦で負けた相手へのリベンジ意識も強く、チームの躍進を支えています。

次の相手は青森山田で、勝てば創部以来初の決勝進出となります。西村はチームに新たな歴史を刻むために全力を尽くしています。

京都国際、3年ぶり4強 西村一毅は2戦連続、チームは3戦連続完封勝利

第106回全国高校野球選手権大会準々決勝第3試合(19日、京都国際4-0智弁学園、甲子園)最後は捕手の奥井のミットを目がけ、渾身(こんしん)の力で投げ込んだ。135キロの直球で智弁学園の知花主将のバットを空を切らせ、勝利を決めた瞬間、マウンドの京都国際・西村はグラブをポンとたたき、白い歯を見せた。

「チームを勝たせられて良かった。最後は力でねじ伏せる気持ちでした」

春は届かなかった聖地のマウンドで躍動している。3安打完封した2回戦の新潟産大付戦に続き、2度目の登板だったこの日も緩急を使った投球がさえた。奪三振は2個ながら、130キロ台後半の直球で強気に内角を攻めてカウントを稼ぐと、得意のチェンジアップで巧みにタイミングを外して凡打の山を築いた。打っても2安打1打点と気を吐いた。

智弁学園には中川勇斗(阪神)らを擁して初めて4強入りした2021年夏の準決勝で敗れており「同じ相手に絶対に負けられないと思っていた」と充実感を漂わせた。3回戦の西日本短大付(福岡)戦では3年生のエース中崎が7安打で完封勝ちしており、2人で3試合連続無失点を達成。夏の甲子園では1989年の帝京(東東京)以来、35年ぶりになる3戦連続無失点勝利という盤石の状態で、2度目の準決勝に進んだ。

その相手は今春の選抜の1回戦で3-4でサヨナラ負けした青森山田。チームにとっても、選抜はメンバーから外れ、スタンドから見守るしかなかった西村にとっても「あれ(ベンチ外の悔しさ)があったからこそ本気で練習するようになった」と、今夏の躍進のきっかけになった相手でもある。

勝てば、1999年の創部で初の決勝。春のリベンジを果たし、チームに新たな歴史を刻み込む。(月僧正弥)

■西村 一毅(にしむら・いっき) 2007(平成19)年7月7日生まれ、17歳。滋賀・甲賀市出身。小2から水口少年野球団で野球を始め、外野手。中学時代は近江ボーイズで投手兼外野手。京都国際で本格的に投手を始め、1年秋に背番号11でベンチ入りしたが、今春の選抜大会はメンバー外。春季府大会から再びベンチ入り。持ち球は最速143キロの直球、スライダー、カーブ、チェンジアップ。177センチ、66キロ。左投げ左打ち。