【甲子園】連続完封の京都国際2年生左腕・西村一毅、順番通りなら次は決勝、準決は中崎に任せた

AI要約

京都国際が智弁学園を4-0で破り、3年ぶり2度目の4強入りを果たした。若手投手の西村一毅が2試合連続完封を達成し、圧倒的なピッチング力を見せた。

西村は14歳の時から野球を始め、中学時代から投手としての才能を開花させてきた。3年前の甲子園では先輩である森下瑠大の活躍を目にし、チームのために雪辱を果たすことを決意した。

チーム全体も投手陣の活躍で3試合連続無失点を達成し、準決勝の舞台に進出した。18歳の誕生日を迎えたエースの中崎琉生も素晴らしいピッチングを見せ、チームを後押ししている。

<全国高校野球選手権:京都国際4-0智弁学園>◇19日◇準々決勝

 京都国際が智弁学園(奈良)との近畿対決を制し、3年ぶり2度目の4強入りを決めた。先発の西村一毅(いっき)投手(2年)が甲子園デビュー戦から2試合連続完封の離れ業だ。

    ◇   ◇   ◇

 京都国際の2年生サウスポーが、またも甲子園のマウンドで仁王立ちした。強心臓が武器の西村が9回118球、6安打で2戦連続完封。2回戦でセンバツV校の健大高崎を破った智弁学園打線を6安打に抑え、三塁も踏ませなかった。

 「ストライク先行を心がけて挑んだ。しっかりできたのでよかったです」と胸を張った。甲子園デビューした14日の2回戦、新潟産大付は3安打完封。6四球と制球が課題だったが、この日は2つにとどめた。2試合、18イニング連続無失点の完全無双状態だ。

 母則子さん(50)は幼少期を「もう、自由奔放でした」と笑って振り返る。その姿は今も変わらない。近江ボーイズの先輩で捕手の奥井は「何を考えているか、わからない」と明かすマウンド度胸が大きな武器だ。鋭く落ちるチェンジアップを意識させ「調子がよかった」という直球を低めに制球。先頭を出した3回と7回も落ち着いて注文通りの遊ゴロ併殺に仕留めた。

 同校が夏の甲子園に初出場した3年前の21年。同じ左腕の森下瑠大(りゅうだい、現DeNA)の活躍で快進撃したが、準決勝で智弁学園に敗れた。中2だった西村はその試合をテレビで見ていた。「森下さんと同じ学校に入って、あの人を超えたい」。その思いで入学後鍛錬に励み、先輩に代わって雪辱を果たした。

 177センチ、66キロの細身の体格で大きな存在感を放つ。小牧憲継監督(41)は「1イニングずつ淡々と投げ、最後まで集中力が切れなかった。頼もしかった」とたたえた。

 初戦からエースの中崎琉生(るい)投手(3年)と交互に完投し、左腕2人で3試合連続無失点。投手力で圧倒し、3年ぶりに準決勝に戻ってきた。この日、18歳の誕生日を迎えた中崎に最高のバースデー白星を贈った。先輩左腕の先発が濃厚な21日の準決勝で、今春のセンバツ初戦でサヨナラ負けした青森山田との再戦の舞台を用意。リベンジ達成で同校初の決勝登板を待ちわびる。【中島麗】

 ◆西村一毅(にしむら・いっき)2007年(平19)7月7日生まれ、滋賀県甲賀市出身。小学2年時に水口少年野球団で野球を始め外野手としてプレー。水口中では、近江ボーイズで外野手と投手。京都国際では1年秋から投手でベンチ入り。身長177センチ、体重66キロ。左投げ左打ち。

 ○…4戦連続の2桁安打で智弁学園を圧倒した。先制決勝打を含む2安打1打点で西村を援護した女房役の奥井は「逆方向に強い打球を飛ばすことを徹底している。それが今はまっている」と低反発バットへの対応に手応え。小牧憲継監督(41)は「もう正直、僕が一番びっくりしています。秋は、(打球が)ダイヤモンドを越えない打線だったので、選手の成長はすごい」と目を細めていた。

 ◆センバツの京都国際-青森山田VTR 昨秋近畿準Vの京都国際と東北王者の青森山田が1回戦で対戦し、両軍のエース中崎と関が投げ合った。初回に2点の先制を許した中崎は4回に1点を返してもらったが5回にも1失点。その後は踏ん張り、打線が8回に敵失や重盗をからめて3-3に追いついた。だが中崎は9回1死、木製バットを使った吉川に中越え三塁打、6番伊藤英に左前に運ばれ3-4でサヨナラ負けした。「1回から投球が甘いところに集まってしまったことが敗因」と肩を落とし「全国制覇を目指しているので、今日の経験を忘れず、コントロールや変化球の精度を高めたい」と誓った。

 ◆2試合連続完封 京都国際・西村が2回戦の新潟産大付戦に続き登板2試合連続で完封。夏の2試合連続完封は21年の渡辺翔真(盛岡大付3年)以来。2年生では13年高橋光成(前橋育英)以来となった。京都勢では81年井口和人(京都商=3試合連続)以来。

 ◆チーム3試合連続完封 京都国際は3回戦でも中崎が西日本短大付を完封。夏のチーム3試合連続完封は、吉岡雄二らの89年帝京が準々決勝(11-0海星)、準決勝(4-0秋田経法大付)、決勝(2-0仙台育英)で記録して以来。

 ◆毎回安打 京都国際が記録。昨年の前橋商がクラーク戦で記録して以来。