【甲子園】力投続けた智弁学園のエース・田近楓雅は8回に登板 努力報われ「充実した2年半」

AI要約

智弁学園は全国高校野球選手権の準々決勝で京都国際に4-0で敗退。しかし、チーム力をたたえ、悔し涙を流す選手たちを称賛した小坂将商監督。

田近楓雅投手が4点ビハインドの8回に登板し、最後のマウンドでエースとしての意地を見せる。昨夏はベンチ入りできず、努力が報われた喜びを実感。

父・康司さんも感無量で、野球を通じて成長したエースの姿に感動。幼少期からの努力が充実した2年半をもたらした。

<全国高校野球選手権:京都国際4-0智弁学園>◇19日◇準々決勝

 準々決勝敗退で智弁学園の選手たちは悔し涙を流すも、小坂将商(まさあき)監督(47)は「1戦1戦で成長させてもらって、まさかここまでこられるとは。一生懸命きたので褒めてあげたい」とチーム力で8強入りしたナインをたたえた。

 4点ビハインドの8回には田近楓雅(ふうが)投手(3年)が4番手で登板。今大会3回戦までの全3試合で先発し、前戦まで24回342球を投げ、6失点(自責5)に抑え、30個の三振を奪う活躍だ。今夏最後のマウンドを1回1安打1奪三振無失点で締め、エースの意地を見せた。「笑顔で投げ切れたので悔いはない」と涙ながらに言った。

 昨夏はベンチ入りできず、練習補助員としてチームを支えた。「悔しい思いしかなかった」と明かす左腕は「絶対新チームからはもう1回ここに戻ってくる」との思いで1年間戦い有言実行。あえて孤独に練習し、メンタルを鍛えることもあった。敗戦で悔しい思いもあるが「今までやってきたことは間違っていなかったと証明されたので、充実した2年半だった」と努力が報われたことを実感した。

 「感無量」と見守った父・康司さん(39)は「野球を始めてから活発になった」と話す。幼少期に野球で変わったエースが、野球で大きな成長を遂げ、躍動した期間だった。【塚本光】