変貌する巨人・阿部監督「表情が固かった」 発揮した“らしさ”…備わる柔軟性と冒険心

AI要約

巨人は16日の中日戦で7-1で快勝し、セ・リーグ最速で今季70勝に到達し、阿部監督のもとで優勝へ一歩近づく。

三井氏は阿部監督の変化について、シーズン終盤になるほど明るさが感じられるようになったと評価する。

最近の巨人では、若手選手を積極的に起用する采配が目立ち、その試合展開が成功を収めている。

変貌する巨人・阿部監督「表情が固かった」 発揮した“らしさ”…備わる柔軟性と冒険心

■巨人 7ー1 中日(16日・東京ドーム)

 就任1年目の阿部慎之助監督率いる巨人は16日の中日戦(東京ドーム)に7-1で快勝し、セ・リーグ最速で今季70勝に到達。4年ぶりの優勝へ、また一歩近づいた。かつて22年間巨人のスコアラーを務め、2009年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本代表チーフスコアラーとして世界一に貢献した三井康浩氏は、阿部監督をプロ入り当初からよく知る人物だが、開幕直後と比べて指揮官の大きな“変化”を感じ取っている。

「雰囲気が明るくなりましたね。シーズンの最終盤に来て、逆に切羽詰まった感じがなくなり、余裕が見て取れるようになりました」。三井氏は最近の阿部監督の立ち居振る舞いを、こう評する。確かに、開幕直後の阿部監督は試合中には終始、ポーカーフェイスを崩さなかった。最近は味方の本塁打が飛び出した瞬間にガッツポーズを繰り出し、満面笑みで選手を出迎えるなど、表情が豊かになった印象がある。

 三井氏は「開幕当初は監督になりたてとあって、表情が固かったですね。本人が『監督たる者はどうあるべきか』と考えた末に、ポーカーフェイスにしていたのかもしれません。しかし、私は現役時代同様に、もっと明るくいってほしいと思っていました。今のように、感情をストレートに表現してこそ慎之助だと思います」とうなずく。

 ここに来て阿部采配で特筆されるのが、思い切った若手の起用だ。この日は、高卒2年目・19歳の浅野翔吾外野手をプロ入り後初の「5番」に抜擢。6番には秋広優人内野手を並べた。そして秋広が2打席で精彩がないと見ると、5回の守備からオコエ瑠偉外野手へスイッチ。このオコエがセンターオーバーの適時二塁打、中前2点打を連発した。

 今月7日のDeNA戦では、1点ビハインドの9回2死一、二塁という土壇場で、2軍から昇格させたばかりの22歳・中山礼都内野手を代打起用。同点適時打を放ち、延長12回サヨナラ勝ちにつなげた。