「性別」騒動で賛否 台湾の女子ボクサーも金メダル 表彰台で涙

AI要約

台湾の林郁婷選手がパリ・オリンピックボクシング女子57キロ級で優勝し、性別の議論に揺れた試合を制した。

林選手は性別を巡る騒動から離れ、試合に集中していたと述べた。決勝ではポーランドの選手を破り、金メダルを獲得した。

林選手は以前性別検査で失格となった経緯があり、しかしIOCは彼女の出場を認めた。同じく失格したアルジェリアの選手も金メダルを獲得している。

「性別」騒動で賛否 台湾の女子ボクサーも金メダル 表彰台で涙

 パリ・オリンピックで10日、ボクシング女子57キロ級の決勝が行われ、アルジェリアの選手と並び「性別」を巡って出場の是非が議論されていた台湾の林郁婷(りん・いくてい)選手が優勝した。

 林選手は試合後の記者会見で、性別を巡る騒動について「ソーシャルメディアから完全に離れていた。試合に集中しており、あまり注意を払わなかった」と冷静に振り返った。

 決勝ではポーランドのユリア・シュレメタ選手と対戦。終始リードを奪って完勝した。勝利後もリングの上では表情を崩さなかったが、表彰台の上で金メダルを手にポロポロと涙をこぼした。「ボクシングを始めてからのこと、苦痛や喜びが頭の中を流れていき、心が打たれた」のが理由だったという。

 林選手は2023年の世界選手権で国際ボクシング協会(IBA)が実施した性別検査で失格となり、銅メダルを剥奪された。だが、この検査は「正当性がない」と批判されており、パリ五輪を管轄している国際オリンピック委員会(IOC)は林選手の出場を容認した。

 昨年の世界選手権で同様に性別検査で失格となったアルジェリアのイマネ・ヘリフ選手も9日、66キロ級で金メダルを獲得している。【パリ金子淳】