【虎になれ】後半戦7失策…日本シリーズ並み緊張感の3連戦だ ミス取り返せ、佐藤輝明

AI要約

阪神は広島に敗れ、佐藤輝明の失策が悔やまれる展開となった。

佐藤輝明の守備面での不安が浮き彫りになる中、三塁手のポジションの厳しさとスター選手への可能性が語られた。

岡田監督や選手たちは広島に完敗し、逆転を狙う重要な試合であったが、シーズンの流れを変えるためには次の試合への意気込みが求められる。

【虎になれ】後半戦7失策…日本シリーズ並み緊張感の3連戦だ ミス取り返せ、佐藤輝明

<阪神3-6広島>◇9日◇京セラドーム大阪

 まあ、しかし、ナンボなんでも多いやろ…そんなぼやきも出てしまう佐藤輝明の失策だ。2回、2死一、二塁。8番・林晃汰の三ゴロを難なく捕った。だが一塁・大山悠輔がベースに入るのを待つ間にタイミングが合わなかったのか。悪送球してしまう。先発・村上頌樹はこれで1失点だ。

 後半戦、調子を上げてきた阪神。佐藤輝も打撃には光るものが出てきたが、正直、守備は不安だ。これで後半戦は13試合で7失策。2試合に1つ以上の割合で出ていることになる。一生懸命やっているのは間違いないが、これはちょっと厳しい感じだ。

 三塁手は失策の多くなるポジションという。もっとも鋭い打球が飛んでくるホットコーナー。「必ずエラーするポジションですから。それで平然としていられるメンタルが大事」。現在、打撃コーチを務める今岡真訪が日刊スポーツ評論家時代に聞いたことだ。

 同時にスターになれる守備位置でもある。過去、強打者も多い。4番サードといえば長嶋茂雄、掛布雅之、原辰徳とすらすら名前が出てくる。佐藤輝もそんな名選手に並べる可能性のある存在だろう。誰がなんと言っても現在の阪神で最大級のスターであることに違いはない。だからこそ…と思うのである。

 指揮官・岡田彰布はあのミスが痛かった? という質問に「そういうことやろ」を繰り返した。虎番キャップたちは取材対応した中ではもっとも短い質疑時間だったと振り返る。

 首位・広島を迎えての大事な一戦は完敗に終わった。もちろん佐藤輝だけが悪いのではない。広島打線の粘っこい攻めにやられた印象だ。阪神が、岡田がやりたい展開を敵将・新井貴浩にやられたのである。

 これで広島とは3ゲーム差に広がった。虎党は当然3連勝を期待していただろうが、これまでの対戦を見ても、やはり、それは虫が良すぎるというもの。だがやはり逆転を狙う側としては勝ち越したいのは事実だろう。

 「いろいろ言うたら分かってしまうやんか」。岡田はそう言って短い取材を切り上げた。これも珍しい。まるで日本シリーズ、短期決戦を戦っているかのような様子だ。実際、そういう気持ちなのだろう。10、11日の2試合でシーズンの流れは変わる。そんな戦いだ。だからこそ。佐藤輝にはミスを取り返す打撃がほしい。そう思う。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)