【阪神】踏ん張りどころの虎…11日にも自力V消滅 佐藤輝明失策、投手陣崩壊で「そういうこと」

AI要約

阪神は11日にも自力Vが消滅する危機に直面。広島との直接対決で先制失策や打線の不振が響き、敗れる。

岡田監督は敗因を語らずに「そういうこと」と繰り返し、会見は30秒で終了。指揮官が自滅シーンを同調し、佐藤輝の失策が試合を左右した。

阪神は中盤に反撃のチャンスも生まれるものの、遅すぎる。投手陣も崩れ、3ゲーム差で逆転リーグ連覇への可能性が消滅する危機にさらされる。

【阪神】踏ん張りどころの虎…11日にも自力V消滅 佐藤輝明失策、投手陣崩壊で「そういうこと」

<阪神3-6広島>◇9日◇京セラドーム大阪

 阪神が11日にも自力Vが消滅する危機に立たされた。首位広島との直接対決は2回に佐藤輝が先制決勝の適時失策を犯し、打線も今季初登板の森に白星を献上するなど見せ場なし。先発村上も5回4失点と踏ん張れず完敗した。敗因を問われた岡田彰布監督(66)は3度「そういうこと」と繰り返し、会見は今季最短の30秒で終了。勝てば1ゲーム差に迫れたが痛恨の3差に拡大。逆転リーグ連覇へここが踏ん張りどころだ。

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 岡田監督はぶぜんとしながら「そういうこと」と3度繰り返した。「佐藤輝の失策が痛かった」と問われると「そういうことやろ」と即答。「取れるアウトを確実に取らないといけない」という問いにも「そういうことやろ」。さらに「村上も無失点か1失点かでは変わってくる」と問われ「そういうことやんか。それだけやん」と続けた。会見は今季最短の約30秒で終了。静かに会見場を後にした。

 指揮官が同調したのは自滅したシーンだ。2回の守り。2死一、二塁で林の三ゴロを佐藤輝が一塁へ悪送球。大山がボールに触れることすらできなかった。ボールは一塁側のスタンドへ飛び込み、二塁走者が生還。これで村上は先制点を献上した。佐藤輝は後半戦13試合で7失策とミスが多発。今季17個目の失策は12球団最多だ。普段から「普通のことを普通にやるだけ」と語ってきた岡田監督。普通にできずに、昨季8月は5戦全勝と無敵を誇った京セラドーム大阪で敗れた。

 反撃も遅かった。中野の適時打で3点差に迫った5回。2死二、三塁で3番森下が左飛に倒れた。一打出ていれば1点差に迫っていてもおかしくない場面。森下は8回に適時打を放ったが、試合をひっくり返すまでにはいかない。逆に虎の投手陣は最後まで攻め続けられ被安打16。6失点という数字以上に圧倒された。広島とは3ゲーム差に広がり、11日にも自力優勝の可能性が消滅する危機に立たされた。

 この日は前夜まで戦った神宮から移動日なしの試合。まだ9連戦の4試合目だ。広島とは残り2試合、巨人とは12日から敵地で3連戦。真夏の大勝負は続く。岡田監督は「いろいろ言うたらお前、まだ明日あさって試合あるから、分かってしまうやんか」と手の内を隠すように言い残した。本当の戦いはこれから、という合図か。残りはちょうど40試合。虎はくらいついていきたい。【中野椋】

 ▼阪神は11日にも自力優勝の可能性が消滅する。条件は10、11日に広島に対して●●もしくは●△のとき。いずれの場合も、広島が阪神との直接対決残り6試合に全敗しても、それ以外のカードに全勝すると、阪神が残り試合に全勝しても勝率で上回れないため。