連続銀メダル…15歳・開心那、“師匠”が借金して作った練習場で“空中技”磨く 身長20センチ伸びても『スタイル』変えず【スケートボード女子パーク】

AI要約

2021年東京五輪銀メダリストの開心那がパリ五輪女子スケートボードパークで2大会連続の銀メダル獲得

開心那は身長が伸びたものの、スタイルを変えずに独自の滑りでノーズグラインドを披露

独自性を追求しながら、空中戦にも対策を施した開心那のストーリー

連続銀メダル…15歳・開心那、“師匠”が借金して作った練習場で“空中技”磨く 身長20センチ伸びても『スタイル』変えず【スケートボード女子パーク】

◇6日 パリ五輪 スケートボード女子パーク決勝(コンコルド広場)

 予選トップで決勝に進んだ2021年東京五輪銀メダリストの開心那(ひらき・ここな、15)=WHYDAH GROUP=が92・63点で2位となり、東京五輪に続き、2大会連続の銀メダルとなった。金メダルは3回目に93・18を出したアリサ・トゥルー(オーストラリア)だった。

 日本史上最年少メダリストとなった東京五輪から3年―。身長は20センチ以上伸びた。だが、自身のスタイルは変わらない。世界から敬意を込めて呼ばれる「ノーズグラインドマスター」。パリでもコースの縁を板前方の金具部分で削るように滑り、コンコルド広場に金属音を響かせた。

 女子のパークでも高いエアを見せる空中戦が主流となった。だが、開の「かっこいい」は変わらない。“地上戦”をさらに磨いた。「見ている人が楽しめる自分らしい滑りをしたい」。同じ北海道苫小牧市出身で5歳年上のプロスケーター冨川蒼太さんが得意としていたノーズグラインドが原点にあるという。

 独自性をさらに尖らせる一方で、“師匠”は空中戦対策も用意した。開の練習拠点である「ホットボウル」(札幌市)のオーナー・堤裕介さん(44)が、新たにエア用の練習施設をつくり、今年2月にオープンした。「(開)心那だけじゃなく、これからの子どもたちのためにも」と家が建つ“借金”をした。弟子は「良い感じ」と空中技を固め、パリに向かった。

 空中で体を1回転半する「540」を武器にするライバルたちとは違うスタイル。唯一無二。オンリーワンを追求した。「身長も伸びて、体重も増えて、スピードも増して、技をかけやすくなった」。5歳から始めたスケートボード。他人とは違う「自分の思うかっこいい」と突き詰めた先に銀色のメダルが待っていた。