豊田、ほろ苦い初舞台 父の母国で故障響く―陸上〔五輪〕

AI要約

豊田は男子400メートル障害予選で故障による厳しい状況を乗り越えられず、悔しさと挫折を感じながらも競技を続行した。

日本選手権での好成績から期待されていた五輪での活躍は叶わず、故障による苦難の1カ月を経て出場を果たした。

21歳の大器として新たなスタートを切り、将来の成長への希望をつないでいる。

豊田、ほろ苦い初舞台 父の母国で故障響く―陸上〔五輪〕

 父の母国フランスが舞台となった初の五輪は、ほろ苦いものとなった。

 男子400メートル障害予選で豊田はスタート直後から後れを取り、周囲に大きく離されて組最下位。悔しそうに天を仰ぎ、倒れ込んだ。

 6月末の日本選手権で太もも裏を痛め、フランス入り後の練習で再発。テーピングを施して強行出場したものの、日本歴代3位の自己記録(47秒99)に遠く及ばない53秒62。「本当に厳しい1カ月間だった」と振り返った。

 日本選手権で日本人3人目の47秒台を出し、初優勝。この種目の日本勢で初の五輪決勝進出も視野に入っていただけに、故障が悔やまれる。コーチと相談した上で、「このつらい挫折のような経験を、自分が成長していく上で前を向いていけるものにしたい」との思いから出場を決めた。

 195センチの長身を誇る21歳の大器は「これでまた新しいスタートが切れた」。悔しさを晴らすチャンスは、この先にたくさん待っている。