男子400mで日本人32年ぶり決勝進出の期待 4×400mリレーは史上初のメダルに挑戦【パリ五輪陸上競技プレビュー】

AI要約

日本勢が1992年バルセロナ五輪男子400mで唯一の決勝進出を果たし、高野進が8位に入賞。その後、佐藤拳太郎、佐藤風雅、中島佑気ジョセフといった新たな選手が台頭し、今回のパリ五輪でも決勝進出が期待される。

日本は21年東京五輪の4×400mリレーで好成績を残し、男子400m競技に上昇機運をもたらした。リレーチームの活躍が新たな時代を築きつつある。

男子400mの選手たちは決勝進出を目標とし、パリ五輪ではメダル獲得への機運が高まっている。

男子400mで日本人32年ぶり決勝進出の期待 4×400mリレーは史上初のメダルに挑戦【パリ五輪陸上競技プレビュー】

陸上競技男子400mは1992年バルセロナ五輪が、日本勢の決勝に進んだ唯一の大会。高野進が8位に入賞した。前年の世界陸上東京大会に続く高野の快挙で、“ファイナリスト”という言葉が定着した。パリ五輪では32年ぶりの男子400mファイナリスト誕生が期待されるが、高野の時代と違うのは複数の選手に可能性がある点だ。

昨年の世界陸上ブダペスト予選で44秒77と、高野が32年間持っていた日本記録を0.01秒更新した佐藤拳太郎(29、富士通)。ブダペストの準決勝で44秒88の日本歴代3位をマークし、決勝進出まで0.18秒と迫った佐藤風雅(28、ミズノ)。そして日本選手権2連勝中でブダペスト準決勝3組3位、あと1人で決勝に進出できた中島佑気ジョセフ(22、富士通)。代表3人全員が決勝進出を現実的目標としている。

そして3人が出場する4×400mリレーは、過去のオリンピックでは2004年アテネ五輪の4位が日本の最高順位。五輪初のメダル獲得への機運が高まっている。

■東京五輪の4×400mリレーから時代が動き始めた

低迷していた男子400mが上昇機運に転じたのは、21年東京五輪の4×400mリレーがきっかけだった。

東京五輪400mはウォルシュ・ジュリアンただ1人の出場で、予選を突破できなかった。だが4×400mリレーは予選で3分00秒76の日本タイをマークした。1走から伊東利来也(25、三菱マテリアル。現住友電工)、川端魁人(25、三重教員AC。現中京大クラブ)、佐藤拳太郎(29、富士通)、鈴木碧斗(23、東洋大2年。現住友電工)のメンバー。予選2組5位で惜しくも決勝進出を逃したが、エースのウォルシュを起用しないメンバーでの日本タイは、翌年以降への希望が膨らんだ。

日本記録の3分00秒76は、96年アトランタ五輪5位のときに日本チームが出した。04年アテネ五輪で日本チーム過去最高の4位になったが、記録は3分00秒99で惜しくも日本記録を更新できなかった。