発掘された才能 異例の〝生粋〟サーブルフェンサー高嶋理沙 サーブル女子団体銅メダルに貢献【パリ五輪】

AI要約

パリ五輪・フェンシング女子サーブル団体で日本がフランスに勝利し、高嶋理紗が活躍した。

高嶋は福岡県出身で、フェンシングに出会った経緯や団体戦での6連続得点での貢献に喜びを示した。

高嶋は苦難を乗り越えて成長し、パリ五輪でも脳振とうの影響を克服して快挙を達成した。

発掘された才能 異例の〝生粋〟サーブルフェンサー高嶋理沙 サーブル女子団体銅メダルに貢献【パリ五輪】

 ◆パリ五輪・フェンシング女子サーブル団体 日本45―40フランス(3日、グランパレ)

 3位決定戦で高嶋理紗(オリエンタル酵母工業)=福岡県大牟田市出身=が快挙を引き寄せる活躍を示した。

 29―30で迎えた第7試合。地元のリードで歓声が大きくなる中で、冷静に6連続得点を挙げ突き放して勝利に大きく貢献した。「個人戦を自分のプレーでしっかり戦えていたので、そのまま団体戦に生かしたいと思っていた。後ろを見ればチームのみんながいるので、全員を頼って戦えた」と喜んだ。

 高嶋は小学時に福岡県が実施する「タレント発掘事業」でフェンシングと出会った。子どもたちに多様な競技を体験させながら適した競技を見つけて能力を伸ばす福岡県の取り組みで、それまではソフトボールに励んでいたが「フェンシングが一番魅力的で、自分の中でも面白いなと感じた」と振り返る。サーブルは他種目から転向することが多いが、高嶋は最初から取り組む〝生粋〟のサーブルフェンサーだ。

 早くから頭角を現し、2014年のアジア大会に江村らとともに出場。ところが大会直前に痛めていた右膝が本番で悲鳴をあげた。試合中に悪化させて途中棄権し、続く試合は強行出場したが途中で崩れ落ちて涙を流しながら欠場を余儀なくされたこともある。16年には左膝も負傷するなど、けがに悩まれたキャリアだったが、新たなフォームを身につけて成長を遂げた。

 パリ五輪前も脳振とうの影響で2カ月ほどフルメニューをこなせないもどかしい時を過ごしたが、過去の苦しい経験も糧に、冷静に可能な調整を施しながらパリに乗り込み、快挙の一躍を担った。(パリ山田孝人)

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