自己最速147キロ「感謝」の決勝マウンド 二刀流の東邦・高柳選手

AI要約

東邦の主将で捕手の高柳選手が初めて登板し、三者凡退に抑える活躍を見せる。

高柳選手は捕手から投手に切り替え、チームを鼓舞しリードを奪われた苦しい展開で力を示す。

試合後、高柳選手は感謝の気持ちを口にし、現在のポジションや経験に感謝するコメントを残す。

自己最速147キロ「感謝」の決勝マウンド 二刀流の東邦・高柳選手

 (28日、第106回全国高校野球選手権愛知大会決勝 中京大中京7―3東邦)

 2点をリードされた七回裏。前の回まで捕手をしていた東邦の主将・高柳大治選手(3年)が、今大会初めて登板した。

 マウンドに立つと、スコアボードに向けて雄たけびをあげた。「必ず無失点で抑える」と、自らを鼓舞してから打者に向き合った。

 打席に立つ中京大中京の杉浦正悦選手(3年)は、中学時に所属した野球クラブのチームメートだ。「絶対に打たせない」と気合を込め、自己最速147キロの直球などで攻め、三振に仕留めた。

 続く打者にも安打を許さず、この回、三者凡退に抑えた。捕手と投手をこなす「二刀流」の好投にベンチやスタンドは大きくわき、反撃ムードを高めた。

 高柳選手が捕手になったのは高校1年秋からだ。きっかけは指導者の勧めだったが、「野球の幅が広がる」と前向きにとらえた。自らも投手をしつつ、他の投手の良さを引き出すポジションに喜びを見いだした。

 今大会は、4人の投手をリード。準決勝までの5試合で1失点も許さなかった。

 この日は初回に失点を喫し、中盤からリードを奪われる苦しい展開。そんな中での登板にも「捕手からうまく気持ちを切り替えて、良い球を投げられた」と胸を張った。

 八回に4連打を浴びて3失点しチームも敗れた。だが、試合後には悔しさよりも周囲への感謝が口をついた。

 「捕手と投手、さらに主将と色んな経験をさせてもらった。みんなに支えてもらった3年間には、感謝しかありません」(井上昇)