県内無双・神村学園を支える「背番号19の声」、ベンチから飛ぶ2年生のアツすぎる”激”【24年夏・鹿児島大会】

AI要約

神村学園が枕崎を圧倒し、5回コールドで10-0で勝利。

神村学園の攻撃が活発で、先制点を取り主導権を握る。

小山選手の声掛けがチームに活気を与え、神村学園の底力を見せる。

県内無双・神村学園を支える「背番号19の声」、ベンチから飛ぶ2年生のアツすぎる”激”【24年夏・鹿児島大会】

<第106回全国高校野球選手権鹿児島大会:神村学園 10-0 枕崎>◇25日◇準決勝◇平和リース球場

 第1シード神村学園が、攻守に枕崎を圧倒。1時間14分のスピードゲーム、5回コールドで寄り切った。

 1回裏、4番・正林 輝大(3年)の右前適時打で口火を切り、押出し、8番・藤田 侑駿(3年)の左前適時打で計3点を先取した。2回は4番・正林の犠飛で追加点を挙げ、3回は打者一巡で6安打を集中し、5点を加えて、一気に主導権を手繰り寄せた。4回にはスクイズで10点目を挙げた。

 先発の右腕・早瀬 朔(2年)は、力強い投球で5回を被安打3で本塁を踏ませなかった。

 枕崎は防戦一方の展開の中、3回は本盗を阻止して意地をみせた。5回表は8番・外薗 宗朋(3年)、代打・福﨑 悠平(3年)が 連打で出塁し、何とか1点をもぎ取りたかったが、本塁が遠かった。

 今大会、小田大介監督の隣に立って常に声を出しているのが背番号19の小山 琳太。「ベンチの雰囲気を盛り上げる」(小田監督)ために大会直前のメンバー変更で、背番号19で登録された2年生だ。熊本中央ボーイズ出身の小山は4番ファースト・主将として活躍。1学年下には横浜・池田 聖摩内野手がいる。

 小山の発する声の内容が実に的確で、選手のやる気を鼓舞する。例えば、この日は守備の名手であるはずの遊撃手・今岡 拓夢(2年)や二塁手・増田 有紀(3年)がエラーをした。

「顔を上げて、次のプレーで強気だぞ!」

 ミスをした選手は気持ちが萎縮して落ち込みがち。だからこそ顔を上げ、良い表情を意識する。次のプレーに強気で臨んで取り返して欲しい。

「この打者は流してきます。藤田さん、増田さん、打球が来ますよ」

 枕崎の選手とは地区大会で対戦したとき、実際のプレーを見ていたので、各選手の特徴は頭に入っている。状況に応じた的確なプレー予測も、声掛けの大事な役目だ。

「完璧じゃなくていい。不細工なプレーでいい。1つ1つ確実に行くぞ!」

 5回表、無死一二塁とピンチの場面。早く試合を終わらせようとする焦りは禁物。格好悪くても、たとえ失点しても、最後に勝てばOK。そのぐらいの気持ちの余裕を作る声掛けを意識した。

「今岡の分身になれる存在」と小田監督は全幅の信頼を置く。昨年の甲子園ベスト4は当時の3年生で主将・今岡 歩夢の強気なプレーはもちろん、声掛けでもチームを盛り上げたことが大きい。そんな存在が2年生にいることに頼もしさを感じていた。

「最後は大人になったチームが勝つ。神村らしく勝てるように、次の試合も全力でベンチを盛り上げたい」。こんな選手がベンチで仕事をしているところにも神村学園の底力を感じた。