照ノ富士が土つかずの10連勝で独走、後続は2敗の大関琴桜のみ/名古屋場所10日目

AI要約

横綱照ノ富士が無傷の10連勝を達成し、霧島を退けた。

大関琴桜が大の里を破り勝ち越しを決め、大関の意地を見せた。

苦しい土俵を乗り越える貴景勝や、新三役を目指す力士たちの戦いも注目された。

<大相撲名古屋場所>◇10日目◇23日◇ドルフィンズアリーナ

 幕内でただ一人、勝ちっ放しの横綱照ノ富士(32=伊勢ケ浜)が、大関から陥落した関脇霧島(28=音羽山)の挑戦を退け、無傷の10連勝とした。過去の対戦成績は11戦全勝と圧倒していたが、この日も霧島に二本差されながら、両腕をガッチリと極めて寄り立て、土俵際で左からの小手投げを放った。2場所連続休場明けで臨む場所で、3場所ぶり節目の10度目の優勝に向け、白星を10個並べ賜杯レースを独走している。敗れた霧島は5勝5敗と星を五分に戻され、大関復帰には残り5番で1敗も許されない、厳しい状況に立たされた。

 大関陣は琴桜(26=佐渡ケ嶽)が、2場所連続優勝を目指す新関脇の大の里(24=二所ノ関)との注目対決。胸で当たって圧力をかけ合う先手争いの攻防が続いたが、先に左上手を取った琴桜が、土俵際で体を回転させながら上手投げでねじ伏せた。勝ち越しを決める8勝目で大関の意地を見せた。敗れた大の里は、星を5勝5敗の五分に戻された。

 豊昇龍(25=立浪)は初顔の湘南乃海(26=高田川)を、左からの外掛けで退け勝ち越しに王手をかける7勝目を挙げた。9度目のカド番で臨みながら5敗と苦しい土俵が続いている貴景勝(27=常盤山)は、大関とりの足固めとして臨む関脇阿炎(30=錣山)と対戦。持ち前の当たりと出足で、阿炎を向正面に押し出して軍配を受けた。だが、物言いがつき協議の結果、貴景勝の左手が土俵に先着しており、行司軍配差し違えで阿炎が、はたき込みで勝利。4勝6敗となり、カド番脱出には残り5番で4勝が必要と苦しい状況になった。

 返り三役の小結大栄翔(30=追手風)は、新三役を目指す熱海富士(21=伊勢ケ浜)を押し出して6勝目。熱海不意は6敗目で、三役昇進の可能性を残すには、残り5日で1敗しか許されない状況だ。新三役の小結平戸海(24=境川)は、若元春(30=荒汐)を引き落として6勝目。既に役力士との対戦を終えており、終盤の残り5日間で新三役勝ち越しを目指す。

 幕内下位で復活を目指す注目力士で、幕内優勝経験のある返り入幕の若隆景(29=荒汐)は、翠富士(27=伊勢ケ浜)を押し出して7勝目。昨年初場所以来の幕内勝ち越しに王手をかけた。1場所で幕内復帰の遠藤(33=追手風)は、日大の先輩後輩対決となった2敗の美ノ海(31=木瀬)を寄り切りで破り、3連敗後の5連勝で6勝目を挙げた。

 10日目を終え、勝ちっ放しは照ノ富士ただ一人で、1敗力士は不在。2差の2敗は琴桜だけとなった。