「最初はいつもひとりぼっちやった。外様と見られていたんやね」20年ぶり兵庫競馬復帰の小牧太、JRA移籍直後の思いを明かす 古巣での第三章が楽しみだ

AI要約

小牧太騎手が地方競馬の騎手試験に合格し、兵庫競馬への復帰を果たした。小倉で12番人気のモズアカボスを勝利に導く活躍を見せ、再び腕のいいジョッキーとして輝きを取り戻した。

若い頃は孤立していたという小牧騎手も、経験と実績を積み重ね、地方競馬で再スタートを切る決断をした。20年ぶりの園田復帰に向け、新たなチャレンジへのわくわく感を抱いている。

小牧太のジョッキー生活には、新たな第三章が幕を開ける。地方からJRAへ、そして再び地方へ。その挑戦の物語が今後も注目されることだろう。

「最初はいつもひとりぼっちやった。外様と見られていたんやね」20年ぶり兵庫競馬復帰の小牧太、JRA移籍直後の思いを明かす 古巣での第三章が楽しみだ

◇中央競馬記者コラム「ターフビジョン」

 さすがは小牧太だ。令和6年度地方競馬全国協会の騎手試験に合格し、古巣である兵庫競馬へと戻ることになった小牧太騎手(56)=栗東・フリー=が21日、小倉12Rで12番人気のモズアカボスを見事な騎乗で勝利へと導いた。やはりその腕は健在だった。

 そんな小牧騎手、いつ会ってもわれわれマスコミに満面の笑みを見せてくれる。だからこれまでも人間関係では苦労したことがないと想像していた。だが、小牧さんに話を聞くと「JRAに入ったころ、最初はいつもひとりぼっちやった。外様と見られていたんやね。誰も話してくれなかった」というから驚かされた。

 確かな腕と持ち前のガッツでレジネッタ、ローズキングダムとG1を2勝。だが、年齢とともに騎乗数が少なくなった。「まだ乗れる」と奮起しようとしても乗る馬がいなければ活躍できるはずがなかった。

 「こんなものじゃない」という精神力だけでは支えきれなかったという。「正直なところ、もうジョッキーをやめようと思っていました。体力、技術面で限界が来たというより、乗る馬がいなければどうしようもなかった」。心が折れかけたそんな時、園田での騎乗があり、ある調教師から「こっちに戻ってきたら」と声を掛けられたという。

 「それまで園田への復帰は一切、頭になかったけどね。でも、まだ自分には乗れる自信がありました」

 現行のルールではJRAと地方競馬の免許は同時に持てない。だから地方に再合格した小牧はJRAの免許を返上しなければならない。個人的には首をかしげたくなるところだが、ともかく小牧にとっては20年ぶりの園田復帰だ。

 「わくわくしています」と小牧。こんなものじゃない。地方からJRAへ。そしてまた地方へ。小牧太のジョッキー第三章が本当に楽しみだ。 (大野英樹)