マクラーレンが12年ぶりのフロントロウ独占。角田裕毅とペレスがクラッシュの波乱【予選レポート/F1第13戦ハンガリーGP】

AI要約

7月20日、2024年F1第13戦ハンガリーGPの予選が行われ、ランド・ノリスがポールポジションを獲得。角田裕毅はクラッシュで10番手となる。

Q1ではペレスがクラッシュし、Q2ではノリスが最速タイムを記録。Q3では角田がクラッシュし、マクラーレンがフロントロウを独占。

決勝は7月21日にスタート予定。

マクラーレンが12年ぶりのフロントロウ独占。角田裕毅とペレスがクラッシュの波乱【予選レポート/F1第13戦ハンガリーGP】

 7月20日、2024年F1第13戦ハンガリーGPの予選がハンガロリンクで行われ、ランド・ノリス(マクラーレン)が今季2回目、F1キャリア3度目のポールポジションを獲得した。

 2番手にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続いた。角田裕毅(RB)はQ3進出も終盤にクラッシュを喫し、10番手となった。

■Q1:瀬戸際のペレスがクラッシュ。ラッセル17番手に沈む

 直前に行われたFIA F2のスプリントレース終了後、ハンガロリンクには雨が降り注いだ。ただ、18分間のQ1開始直前に雨は止み、気温24度、路面温度29度のなか、全車はソフトタイヤでコースインした。

 セッション序盤に再び降雨と予報されたこともあり、各車早めにファーストアタックに臨んだ。そんななか、残り時間12分というところでルイス・ハミルトン(メルセデス)が1分17秒087をマークして暫定首位におどり出る。

 その直後、ところによりわずかな雨粒が降った影響もあってか、ターン1でローガン・サージェント(ウイリアムズ)がオーバーシュートし、フロントウイングをバリアにヒット。

 さらに、残り7分を切ったところでセルジオ・ペレス(レッドブル)がターン8外側の縁石を踏んでバランスを崩し、そのままクラッシュ。クルマはリヤエンドを中心に大きなダメージを負い、Q1は残り6分45秒というところで赤旗中断となった。

 6月に契約延長を発表も、今シーズン中の解雇の可能性がささやかれるペレスのクラッシュは、今後の評価に影響するかもしれない。なお、この赤旗中にサージェントのマシンは急ピッチの修復が行われた。

 約10分の中断を経てセッションは再開。再開直後は雨も止んでいたが、赤旗中にコース上には雨粒が注いだこともあり、各車は路面コンディションを確かめるように周回を重ねた。

 残り1分を切るなか、アルピーヌ勢2台とペレスを除く17台が再度アタックに臨んだ。そんななか、セクター3全体ベストを記録したダニエル・リカルド(RB)がハミルトンを0.037上回り、Q1トップに浮上しチェッカー。2番手ハミルトン、3番手フェルスタッペンとなった。

 リカルドのチームメイトの角田は8番手でQ2進出を決めた。一方、リスタート後に早めにコースインしたジョージ・ラッセル(メルセデス)だったが、路面が一番美味しくなる最後の1ラップのタイミングを迎える前に燃料が足りなくなったようで、17番手に終わっている。

 16番手ペレス、17番手ラッセル、18番手周冠宇(キック・ザウバー)、19番手エステバン・オコン(アルピーヌ)、20番手ピエール・ガスリー(アルピーヌ)の5台がQ1敗退となった。

■Q2:ノリスが最速。RBは揃ってQ3進出決める

 続く15分間のQ2は、路面コンディションの改善が進み、セッション残り9分というタイミングでフェルスタッペンが1分15秒770をマーク、Q1から大幅にタイムアップを見せて暫定首位に浮上する。続けてピアストリがセクター2全体ベストを更新も、トータルでは0.015秒届かず。

 さらに、残り7分というところでカルロス・サインツ(フェラーリ)がセクター1全体ベスト更新も、フェルスタッペンには0.115秒届かず3番手に。

 終盤、全車がニュータイヤでQ2最後のアタックに臨むと、ここでノリスが1分15秒540を叩き出し、フェルスタッペンを0.230秒上回りQ2トップに浮上しチェッカーを受けた。そして角田は1分16秒121をマークし8番手、9番手リカルドを0.081秒上回ってQ3進出を決めた。

 11番手ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、12番手バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)、13番手アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、14番手サージェント、15番手ケビン・マグヌッセン(ハース)の5台がQ2敗退となった。

 なお、ハミルトンは10番手。11番手ヒュルケンベルグとは0.010秒差というなかでQ3進出を決めた。なお、14番手に終わったサージェントは無線でトラフィックに対する不満を口にしていた。

■Q3:角田がクラッシュ。マクラーレンがフロントロウ独占

 ポールポジションを決める最終Q3は12分間。フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、角田、リカルドの3台はユーズドでコースイン。しかし、その直後、セッション終盤7分を迎えるころに降雨という予報が出る。

 分厚い雨雲が迫り来るなか、各車はファーストアタックから勝負をかけた。そんななか、まずはフェルスタッペンが1分15秒555を叩き出しトップにおどり出る。ライバル勢を0.3秒引き離す驚異のタイムだっただけに、これで勝負は決したかと思われた。

 しかし、残り8分というタイミングでノリスが1分15秒227をマークし、フェルスタッペンに0.328秒差、3番手のピアストリを0.636秒差をつけてトップに浮上した。

 この時点でアロンソは6番手、角田は9番手、リカルドは10番手となっていたが、幸い降雨の予報は外れ、終盤は全車がニュータイヤで最後のアタックに臨んだ。

 そんななか、ピアストリが1分15秒249をマークし2番手に浮上する。フェルスタッペンはセクター1で全体ベスト更新も、ノリスには0.046秒、ピアストリには0.024秒と、マクラーレン2台には届かない。

 その直後、ターン5立ち上がりで角田が大クラッシュを喫し、セッションは残り2分13秒というタイミングで赤旗中断となる。角田はアタック中で、セクター1自己ベストを更新していた状況だった。マシンは大きなダメージを負ったが、角田は自力でマシンを降り、悔しさを滲ませた。

 角田の車両回収後にセッションは再開を迎えた。なお、フェルスタッペンとアロンソは赤旗中にすでにクルマを降りている。

 ノリスを含む7台がアタックに臨んだが、全車すでにニュータイヤを使い切った状況だったこともあり、リカルドを除いてタイムアップはならず。ノリスが今季2回目、F1キャリア3度目のポールポジションを獲得した。

 0.022秒差の2番手にピアストリが続きマクラーレンがフロントロウを占めた。なお、マクラーレンのフロントロウ独占は2012年第20戦ブラジルGP(PPハミルトン/2番手ジェンソン・バトン)以来となる。0.046秒差の3番手にフェルスタッペンが続き、4番手サインツ、5番手ハミルトン、6番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)、7番手アロンソ、8番手ストロール、9番手リカルド、10番手角田となった。

 2024年F1第13戦ハンガリーGP、70周の決勝は7月21日の日本時間22時(現地時間15時)にスタートが切られる予定だ。

[オートスポーツweb 2024年07月21日]