バスクでスペイン代表に向けられる嫌悪感…オヤルサバル母親の故郷で「スペインを受け入れない。彼とメリーノは裏切り者」の横断幕

AI要約

スペイン代表がEURO2024で優勝したが、バスク地方では独立意識の高い人々から非難を受けている。バスク出身の選手たちが活躍し、国を代表したことに対する批判が起きている。

バスクのエロリオではバスク出身の選手を中傷する横断幕が掲げられ、サン・セバスティアンではスペイン代表のマフラーを取ろうとする事件も発生した。

バスクの左翼愛国主義者はスペイン国家に対する反感を示し、バスク選手たちが国を代表することに制約を感じていることを指摘している。

バスクでスペイン代表に向けられる嫌悪感…オヤルサバル母親の故郷で「スペインを受け入れない。彼とメリーノは裏切り者」の横断幕

EURO2024優勝を果たしたスペイン代表だが、複雑な事情を持つ国だけに、誰もが同チームの偉業を祝っているわけではなさそうだ。独立意識の高いバスクでは、優勝に貢献した同地方出身の選手たちを非難する動きがあった。

標的となったのは、決勝イングランド戦(2-1)で決勝点を決めたFWミケル・オヤルサバル、また準々決勝ドイツ戦(2-1)の延長戦後半に劇的な2ゴール目を決めたMFミケル・メリーノだ。オヤルサバルの母親の故郷、人口7000人のバスクの町エロリオで、誰かの仕業によって彼らを中傷する横断幕が掲げられた。そこには「スペイン代表は受け入れられない」「オヤルサバルとミケル・メリーノは裏切り者」と記されている。

オヤルサバルはバスクのエイバル出身で、ミケル・メリーノはバスクの一部に含められることもあるパンプローナ出身である。スペインを嫌い、バスクの同国からの独立を望む人々の中には、彼ら“バスク人”の活躍を快く思わない人もいるようだ 。

バスクで起きたトラブルはこれだけでない。レアル・ソシエダが拠を構えるサン・セバスティアンでは、決勝当日に若者のグループがスペイン代表のマフラーを首に巻いた女性を囲んで、マフラーを乱暴に引っ張って取り上げようとした事件もあった。

スペイン代表のEURO優勝は、バスクでは必ずしも歓迎される出来事ではなかったようだ。バスクの左翼愛国主義の政党エウスカル・エリア・ビルドゥのゼネラルコーディネーター、アルナルド・オテギ氏であれば、「スペインの優勝は絶対に祝わない。私の代表チーム、私の国王、私の国歌ではないからだ」「私たちが反スペイン人だと思っているが、違う考え方をしてもらいたい。バスクの選手たちはバスク代表でプレーする選択肢を持っていないんだ。スペイン国家がバスク人の権利を認めていないからね」と話している。