ポール獲得のトヨタ小林可夢偉「ここは抜きにくい。ベストな予選」と自信。“ル・マンの悔しさ”を結実へ/WEC第5戦サンパウロ

AI要約

小林可夢偉がトヨタの7号車でポールポジションを獲得し、セバスチャン・ブエミが8号車で2番手を獲得してトヨタがフロントロウを独占。

可夢偉は予選を振り返り、良い流れで来ていると感じつつも、決勝に向けてまだまだ詰めきれていない部分を感じている。

平川はチーム力とドライバーの力で7号車と8号車がトップ2を独占したことを強調し、タイヤマネジメントの重要性を指摘。

 7月13日、ブラジルのインテルラゴス・サーキットでWEC世界耐久選手権2024年シーズン第5戦『ロレックス・サンパウロ6時間』の予選が行われ、小林可夢偉が乗り込んだ7号車トヨタGR010ハイブリッド(マイク・コンウェイ/可夢偉/ニック・デ・フリース組)がポールポジション、セバスチャン・ブエミが乗り込んだ8号車トヨタ(ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮組)が2番手を獲得してトヨタがフロントロウを独占した。

 大会後に日本のメディアへ向けて開いたオンライン取材会にて、7号車の予選アタックを担当した可夢偉、8号車ブエミのアタックを見守った平川がここまでのセッションを振り返った。

「予選をワン・ツーで終えることができて、久々にこのポジションからスタートができるので、非常にいい流れで来ていると思います」と語るのは、7号車のアタックを担当した可夢偉。

 今大会は初日からトヨタの2台がトップ2につけるなど、走り出しから好調を見せているが、可夢偉としても「チームがル・マンの悔しさから、良いクルマを持ってきてくれた」と好感触の様子だ。

 迎えた予選では、シュートアウト・セッションからハイパーポールにかけて、シュートアウトで最速だった5号車ポルシェ963を上回るタイムアップを果たすことでポールポジションを獲得した。

「予選については、合わせきれたなとは感じています。ここインテルラゴスは抜きにくいサーキットなので、その点を考えてもベストな内容だと思います」

 それでも、決勝へ向けては詰め切れていない部分を感じているようで、「正直言うと、まだまだ僕らもタイヤの使い方についても走れば走るほど経験を積んでいるところ」と語る。

「路面についても、(セッションを重ねるにつれて)良くなっていくと予想していたのですが、それも微妙で。思ったよりも良くなっていかないんですね」

「あとは、ちょっと雨が降ったりしたときなんかにも、全然路面が濡れていないなかでもラップタイムが1秒ぐらい下がったりしたんじゃないか、という感覚もあったのでちょっと正直分からないんです」とトリッキーなコンディションに惑わされている感覚があるとコメント。決勝へ向けては、これからさらに合わせこんでいく余地があると感じているようだ。

 最後には「明日の決勝は今日の予選よりも暖かいと思っている」と予想し、現地に多く集まっている南米トヨタファンの前での好走を誓った。

 そして、予選ではブエミが乗る8号車のアタックを見守った平川は、「どのチームもグリップのなさを訴えている」と今大会の要点を語る。

「そのなかでも、僕らがここで合わせこむことができたのはチーム力かつドライバーの力かなと感じています」

「明日はタイヤのタレが大きそうなので、タイヤマネジメントをしっかりとやっていきたいですね」

「このサーキットはすごく抜きづらいので、ワン・ツーはすごくいい状況だと思います。ですが、今回はこれまでのプラクティスを見てもかなり僅差で、少しのことで順位が変わってしまうと思うので、まだまだ気を引き締めて頑張っていきます」と明日の決勝へ向けて意気込んだ。

 第5戦を迎え、シーズン後半戦に突入したWEC。ル・マン24時間レースを終えて各陣営のターゲットはタイトル獲得に絞られたなか、まずはこのサンパウロ6時間レースで良い流れを掴むことが重要になってくるだろう。トヨタの2台は、比較的暖かいコンディションのFP2でトップタイムをマークしており明日の決勝でも好走が期待されるが、僅差のライバル相手にどのような戦いを繰り広げるだろうか。

[オートスポーツweb 2024年07月14日]